研究課題/領域番号 |
23K05459
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41040:農業環境工学および農業情報工学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
叶 旭君 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (10708168)
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研究分担者 |
張 樹槐 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (90261429)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | IoTセンサー / 生育中内部品質計測 / スマートデバイス / 非破壊計測 / スマート農業 |
研究開始時の研究の概要 |
農業生産現場では、生育中における農産物の外部品質とともに内部品質の評価および管理技術の開発が強く望まれている。そこで本研究は、①迅速かつ簡便な農産物(メロン・トマト)の生育や品質形成が測定可能なプレハーベストセンサの開発、②それらのIoT化によりWebベースによる情報収集・解析および作物の最適な管理作業が提案できるクラウドサーバの構築、さらに、③作物の灌水と肥培管理の自動化などを含むハードウェアとソフトウェアを統合した簡易スマート栽培システムの開発を行う。このシステムは、生育中の果実内部品質を向上するためのスマート栽培システムであり、高品質な農産物生産に役立つことが期待できる。
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研究実績の概要 |
本年度は、高品質なメロンとトマトの生産を目指し、安価で簡易なスマート栽培システムの構築に取り組んでいた。具体的には、以下の研究開発を進めていた。 1. 光センシングを用いたセンサの開発: 2種類の自作光センサの開発に取り組んだ。1つ目は、1450nmと940nmの2つの波長の近赤外LEDを搭載した植物の葉内含水量を計測する簡易センサで、もう一つは、950nmと900nmの2つの波長のLEDを搭載した果実の内部品質を計測するための簡易センサである。 2. センサのIoT化およびデバイスシステムの開発:市販品の小型分光器 SparkFun Triad Spectroscopy Sensor - AS7265xを使用し、M5StickCと連携させてセンサをIoT化した。これにより、18波長の分光データをリアルタイムに取得し、Google App Scriptsを用いてウェブアカウントにアップロードできるデバイスシステムを構築した。 3.生産環境と植物状態測定のIoTシステムの構築:温室向けの日光、温度、湿度、土壌水分量、CO2などの生産環境情報をリアルタイムに監視・モニタリングするIoTシステムを構築した。同時に、植物の生育状況も定期的に自動送信できる画像送信IoTシステムを構築し、植物の健康状態を遠隔から確認できるようにした。 4. IoTによる農作物の水分管理の自動化:上記3で計測した土壌水分量をリアルタイムにモニタリングしながら、灌水基準値を下回る場合には、自動的に灌水を行うIoTシステムを構築した。 以上の取り組みにより、本研究で目指している高品質なメロンとトマトのスマート栽培システムの構築に必要な主要な要素となるIoTシステムを確立することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度に予定していた主な研究内容は、おおむね順調に進展している。これまでの研究では、高品質なメロンとトマトのスマート栽培システムを構築するために必要な主要な要素であるIoTシステムがほぼ確立されている。これらの成果は、次年度以降に予定している各IoTシステムの検証実験や、簡易スマート栽培システムの統合的構築の展開に大きく寄与することが期待される。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、自作センサの改良や各IoTシステムの検証実験、簡易スマート栽培システムの統合的構築に取り組んでいく予定である。さらに、各要素IoTシステムや統合されたスマート栽培システムの実用化に向けて、地域のメロンやトマトのハウス栽培に応用研究を計画している。これらの取り組みを展開し、本研究のさらなる進展を目指す予定である。
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