研究課題/領域番号 |
23K05479
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41040:農業環境工学および農業情報工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
深見 公一郎 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター, 上級研究員 (50399424)
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研究分担者 |
平井 康丸 九州大学, 農学研究院, 准教授 (10432949)
高橋 仁康 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター, グループ長 (40391536)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 子実コーン / 安全高能率収穫 / 国産汎用コンバイン / 作業条件 / 設計指針 / ロゼット解析 / DEM / 数値解析 |
研究開始時の研究の概要 |
子実コーンを安全・高能率に収穫する作業条件と設計指針を明らかにするため、圃場レベルで収穫条件(作業速度、収穫物の流量・熟度、収穫ロス)を把握し、同時に負荷指標(こぎ胴カバーの応力分布、こぎ胴軸の負荷変動、機体振動)を多面的に計測する。さらに、これらの作業・負荷データにより現行のコンバインについて安全・高精度な作業条件を特定するとともに、計算力学手法に基づき作業能率を向上する機体の耐久性改善の設計指針を提示する。
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研究実績の概要 |
本研究では、子実コーンを安全・高能率に収穫する作業条件と設計指針を明らかにするため、圃場レベルで収穫条件(作業速度、収穫物の流量・熟度、収穫ロス)を把握し、同時に負荷指標(こぎ胴カバーの応力分布、こぎ胴軸の負荷変動、機体振動)を多面的に計測する。さらに、これらの作業・負荷データにより現行のコンバインについて安全・高精度な作業条件を特定するとともに、計算力学手法に基づき作業能率を向上する機体の耐久性改善の設計指針を提示することを目的とする。 2023年度は、国産の汎用コンバイン(出力35馬力)を供試し、3軸ひずみゲージによるロゼット解析とDEM(Distinct Element Method:個別要素法)を用いて、コーン収穫時の脱穀部天板の強度負荷を解析した。その結果、von Mises応力のピーク10点平均は、天板中間部やや前方寄りでピークを示し、手前側の88.5MPaが最大であり、負荷方向はこぎ胴の周方向寄りであった。また、全データ中のvon Misesの最大値は201MPaであり、このときの天板の安全率は1.34~2.19(推奨12以上:宇津木2014)であったことから、天板の厚みを増やすなどの補強の必要性が示唆された。 DEM解析より、大きな負荷を与える衝突挙動は挟まれ衝突(コーンが天板と天板以外のGeometryに挟まれる衝突)であり、天板手前側に集中することが示された。これはロゼット解析の結果と対応することから、コーン収穫時における脱穀部天板への負荷は、天板手前側の「挟まれ衝突」に起因することが推察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
圃場レベルでの収穫条件に関する収穫ロスの把握と負荷指標に関するこぎ胴軸の負荷変動の計測に若干の遅れが発生している。それ以外の項目は順調に計測・解析が進行している。
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今後の研究の推進方策 |
汎用コンバインによる子実コーン収穫作業に関する実験データの蓄積・解析を進めるとともに、計算力学手法に基づいた作業能率を向上する機体の耐久性改善のための設計指針について検討する。特に計算力学手法については,現在の解析結果が汎用コンバインの天板負荷を過大に推定していることを考慮してコーンのモデルを改良する。具体的には,コーン子実の脱粒および芯の折れを考慮したモデルを作成し,その妥当性をコーン子実の脱粒分布試験を通して検証する。最終的に,天板負荷が現実的な値で推定されるように解析法の確立を目指す。
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