研究課題/領域番号 |
23K05487
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41050:環境農学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
岩井 宏暁 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (30375430)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 細胞壁多糖類 / 重金属 / 細胞壁 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞壁多糖類が毒性金属と結合し排除するという新しい毒性緩和方法を調べることで、ストロンチウムや銅などの重金属に対応する毒性緩和機構解決に挑む。戦略として(1)新規の毒性金属毒性緩和分泌性多糖類マーカーの探索、(2)現在までに確立した細胞壁改変イネを用いた重金属ストレス時の細胞壁による 金属イオン排除過程の短寿命RIによる可視化、(3)本研究室で同定された細胞壁センサー による情報伝達機構を調査、(4)多糖類と結合するアルミニウム、銅、鉛、ストロンチウムなどの毒性金属においても同様に解析することにより、毒性金属毒性緩和における細胞壁多糖類の機能解明を行う。
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研究実績の概要 |
現在までに確立した細胞壁改変イネとQST-高崎研でのPETIS法によるリアルタイム元素動態解析による金属動態の可視化を用いることで、毒性金属ストレス時の細胞壁による毒性金属排除過程の調査および、申請者により同定された細胞壁センサーWall associated kinaseによる情報伝達機構を調査することにより、多糖類分泌による毒性金属緩和機構の解明を行うことが第1の目的ある。さらに新規の毒性金属毒性緩和分泌性多糖類マーカーの探索、そしてアルミに加え、銅、鉛、ストロンチウムなどの植物の分泌性多糖類との結合の報告があるものについて毒性緩和機構を調査し、毒性金属毒性緩和分泌性多糖類の新規開拓する。 申請者が保有する細胞壁改変イネより、アルミニウム、銅、鉛、ストロンチウムなどの毒性毒性金属存在下で生育させ、根の伸長に影響を与えた株をスクリーニングし、その原因となった細胞壁成分について生化学的な調査を行う。ペクチンが有効な候補であることが現在までの研究でわかっている。ペクチン量およびペクチンメチル化酵素KO株を用いて、アルミニウム、銅をはじめとした毒性金属の動態をPETIS法によるRIを用いたリアルタイム元素動態解析により調査する候補として上がってきた細胞壁マーカーについて、それらに相当する細胞壁誘導性WAKについて、調査を行う。有力な分泌性多糖類であるペクチンとの結合について報告のある毒性金属である鉛、ストロンチウムなどについても、細胞壁改変イネと金属輸送体変異イネおよびRIを用いたPETIS法での可視化による解析を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
植物の成長とアルミニウムとペクチン量、メチル化度の関係について明らかにし、アルミニウムとペクチンに関する論文を発表するとともに、さらに、銅などの毒性金属の動態をPETIS法を用いたリアルタイム元素動態解析に成功し、ペクチンの量だけでなくメチル化による修飾が重要であることを突き止めた。これにより、メチル化を制御するカテキンの一種であるエピカロカテキンガレート(EGCG)を処理した際に、ペクチンの量と質を変化させることで毒性金属の緩和作用があることを発見し、特許を申請した。また、野生型のイネにおいて、ストロンチウム処理により根の伸長量が減少したが、EGCGを添加するとその減少が緩和されることが明らかになり、EGCGがイネの根におけるストロンチウムの毒性を緩和することが分かった。さらに、EGCGはペクチンの分泌量を増加させることから、イネの根におけるストロンチウムへの応答や毒性の緩和においてペクチンが関与している可能性が示唆された。また、重金属処理を受けたイネでは、ペクチンが減少し、歪み率が低下し、セルロースの量が増加し、強度が増加したため、しなやかで柔軟な茎や葉が欠けていた。しかしまだ、細胞壁環境を細胞内へと連絡するwall-associated kinaseの、重金属緩和に関する計画が進んでいないため、さらに本件についても進行する予定である。また、アルミニウムと細胞壁との間の関係についての知見を論文としてまとめる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
概ね計画通り進行しているため、計画に沿って研究を行う。特に力学的特性の変化などに着目し、新しい着眼点を加えながら実験を行いたい。一方で、完成してきたデータについては、今年度中に論文として発表することを計画している。細胞壁環境を細胞内へと連絡するwall-associated kinaseの、重金属緩和に関する計画が進んでいないため、さらに本件についても進行する予定である。
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