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次世代につなぐ脳機能と膵臓機能を制御するカダベリンシグナルの栄養評価

研究課題

研究課題/領域番号 23K05512
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分42010:動物生産科学関連
研究機関日本獣医生命科学大学

研究代表者

白石 純一  日本獣医生命科学大学, 応用生命科学部, 講師 (50632345)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
キーワードカダベリン / ポリアミン / ニワトリ / 初期栄養 / LC-MS/MS / 脳と膵臓 / TCA回路 / 代謝産物 / カダべリン / 脳機能 / 膵臓機能 / 初生期
研究開始時の研究の概要

出生前後の体内環境は、動物の健康のみならず、家畜生産を左右する重要な要因であり、この時期の効率的な飼養管理法を構築することは持続可能な家畜生産の観点からも重要となる。これまでに、ポリアミンの1種であるカダベリンは初生期のエネルギー代謝効率を改善する有用な生理活性物質であることが示唆されているものの、その制御機構や細胞内応答に関するメカニズムについては十分に理解されていない。そこで、本研究では孵化前後のカダべリンシグナルが代謝制御の核となる脳と膵臓機能に及ぼす影響に着目して解析し、家禽生産のための栄養コントロール法の可能性について検討する。

研究実績の概要

出生前後のエネルギー代謝調節における臓器間ネットワーク機構を解明することは、動物の健康のみならず、家畜生産をも左右することから重要である。本研究では申請者らが明らかにしてきた孵化前後のカダベリン(ポリアミンの1種)の生理活性作用に着目して、脳と膵臓の機能発達との関連性を明らかにすることを目的とした。本年度は器官培養技術を用いたin vitro実験によって評価した。孵化前後(孵卵19日胚~孵化3日齢ヒナ)のニワトリの視床下部および膵臓を採取し、振動刃切片作成装置を用いて厚さ200~400μmの連続切片を作成した。作成した各切片にカダベリンあるいはグルコースを添加した培養液中で0~3時間培養した。培養後の組織に含まれるTCA回路関連代謝物など23成分についてLC-MS/MSによるプレカラム誘導体化法で測定した。その結果、作成した視床下部と膵臓由来の連続切片からリンゴ酸、フマル酸、マレイン酸、ピルビン酸、コハク酸、乳酸などのTCA回路に関連する代謝産物について良好なクロマトグラムが検出でき、カダベリンあるいはグルコース添加によって変動することが明らかになった。したがって、カダベリンは視床下部および膵臓に直接的に作用して、TCA回路を介したエネルギー代謝を制御することが示唆された。今後は、組織中や培養液中に含まれるアミノ酸やビタミン、ミトコンドリア機能制御因子について評価することによって、カダベリンシグナルの視床下部と膵臓における機能性の詳細を明らかにできると考察された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当該年度は孵化前後のヒナの脳(視床下部)と膵臓におけるカダベリンシグナルの生理学的意義を解明するために、器官培養技術を用いてin vitro実験評価を行えた。これまでの予想通りにカダベリンの刺激によってエネルギー代謝経路は亢進することを明らかにすることができ、初期栄養シグナルにおけるカダベリンの有効性を示唆することができた為。

今後の研究の推進方策

次年度以降は、カダベリンによるエネルギー代謝調節に連動するアミノ酸やビタミンなど、その他の栄養素との関連性を調査するのとともに、母体からの栄養素シグナルとしての可能性について検討予定である。具体的には、飼料中の栄養素成分とカダベリンを中心とした栄養素やホルモン分析を行い母鳥の生産性について検討する。また、母子間におけるカダベリンシグナルの栄養生理シグナルの可能性についても検討予定である。一部実験については、すでに着手しており、孵化前後の機能発達におけるカダベリンの栄養素機能に関する分析を引き続き行っていく予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] Embryonic cadaverine signaling: Implications for plasma free amino acid and skeletal muscle energy metabolism in newly hatched chicks.2024

    • 著者名/発表者名
      Jun-ichi Shiraishi, Naoko Shimakura, Kazuki Kimura, Ai-Saiga Egusa, Yoshiyuki Ohta.
    • 雑誌名

      The Journal of Poultry Science

      巻: in press

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Quantification of N<sup>τ</sup> -Methylhistidine and N<sup>π</sup>-Methylhistidine in Chicken Plasma by Liquid Chromatography–Tandem Mass Spectrometry2023

    • 著者名/発表者名
      Jun-ichi Shiraishi, Daichi Ijiri, Ayumi Katafuchi, Shozo Tomonaga, Saki Shimamoto, Hanwool Do, Shinya Ishihara, Akira Ohtsuka.
    • 雑誌名

      The Journal of Poultry Science

      巻: 60 号: 2 ページ: n/a

    • DOI

      10.2141/jpsa.2023017

    • ISSN
      1346-7395, 1349-0486
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ニワトリにおける血漿中低分子代謝物質濃度を用いたビタミンB12栄養の評価.2023

    • 著者名/発表者名
      野澤智晴、白石純一、井尻大地、友永省三.
    • 学会等名
      第40回微量栄養素学会.
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 同位体希釈-LC-MS/MS法を用いた生乳中ポリアミン分析の検討.2023

    • 著者名/発表者名
      白石純一、川瀬貴博、齋藤光那、赤塚愛華、清水慶、萩田祐二朗、長田雅宏、太田能之.
    • 学会等名
      日本畜産学会第131回大会.
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 野生由来ウズラ系統および家畜系統を用いたホームケージ活動量の比較.2023

    • 著者名/発表者名
      後藤達彦、Prudence Nyirimana、今野怜、今野美和、戸張靖子、白石純一.
    • 学会等名
      日本動物遺伝育種学会第24回年次大会.
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ニワトリ‐二ホンウズラの脳原基移植技術を用いた脳と末梢のエネルギー代謝調節機能に関する研究.2023

    • 著者名/発表者名
      中野実結、大澤英輝、太田能之、白石純一.
    • 学会等名
      第47回鳥類内分泌研究会.
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 高速液体クロマトグラフタンデム型質量分析計を用いたブロイラーヒナの栄養状態と骨格筋のエネルギー代謝調節の関連解析.2023

    • 著者名/発表者名
      木村一輝 、太田能之、白石純一.
    • 学会等名
      第47回鳥類内分泌研究会.
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 鳥類の飼育環境条件におけるUVB照射が及ぼす栄養素代謝の効果.2023

    • 著者名/発表者名
      白石純一、柴野美子、石川晴菜、中尾暢宏、戸張靖子、太田能之.
    • 学会等名
      第47回鳥類内分泌研究会.
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] キンカチョウの身体的成長と歌の上達.2023

    • 著者名/発表者名
      川田明香里、矢野優太朗、白石純一、戸張靖子.
    • 学会等名
      第47回鳥類内分泌研究会.
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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