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ゲノム編集による高消化性暖地型イネ科牧草の作出とその遺伝子拡散リスク評価

研究課題

研究課題/領域番号 23K05524
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分42010:動物生産科学関連
研究機関宮崎大学

研究代表者

権藤 崇裕  宮崎大学, フロンティア科学総合研究センター, 助教 (10437949)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワードゲノム編集 / CAD / リグニン / 消化性 / ヌル分離個体 / k-mer解析 / 遺伝子拡散 / 暖地型イネ科牧草
研究開始時の研究の概要

暖地型イネ科牧草は、乾物生産性は高いものの、家畜による消化性に問題があり、消化性の向上は、重要な育種課題の一つである。本草種は、形質転換が困難であるため、ゲノム編集の成功例が殆どなく、新しい育種法の試みは、手つかずの状態である。
本研究は、CAD遺伝子をゲノム編集によりノックアウトすることで、牧草のリグニン含量やその構造および消化性がどの様に変化するのか、明らかとし、新規育種素材の開発を目指す。また、作出した変異体は、隔離圃場で栽培し、ゲノム編集による変異体の遺伝子拡散や野生種への遺伝的構造の影響について、これまでの関連研究で触れられてこなかった生物多様性影響へのリスクについて評価する。

研究実績の概要

本研究は、CAD遺伝子をゲノム編集によりノックアウトすることで、牧草のリグニン含量やその構造および消化性がどの様に変化するのか、明らかとし、新規育種素材の開発を目指す。また、作出した変異体は、隔離圃場で栽培し、ゲノム編集による変異体の遺伝子拡散や野生種への遺伝的構造の影響について、これまでの関連研究で触れられてこなかった生物多様性影響へのリスクについて評価する。
本年度は、(1)CAD変異遺伝子座のホモ化において、導入ベクターが除去されたヌル分離個体5個体(M1世代)について、放任受粉し、M2世代40個体を用いてCAD遺伝子座を調査した。その結果、ホモ型変異が11個体、ヘテロ型変異が20個体、変異なしが9個体に分離し、変異遺伝子座が分離の法則に従い安定的に遺伝することを明らかとした。
(2)上記の分離集団(CADホモ型変異体、ヘテロ型、変異なし型)におけるリグニン含量およびその構造の解析では、リグニン含量はホモ型が最も低く、次にヘテロ型、変異なしと含量が高かった。S型およびG型のリグニンモノマーの量は、リグニン含量と同じ傾向を示し、ホモ型が最も低いものの、その比率は3つの分離集団で差がなく、リグニン構造の変化は認められなかった。
(3)分離集団の形態および消化率について、ホモ型は形態に異常がなく、乾物生産性も変異なし型と同等であり、消化性も向上していた。
(4)k-mer解析による外来遺伝子の検出では、PCRベースで確認したヌル分離個体5個体について全ゲノム情報を高速シーケンサにより収集し、導入ベクターのゲノムへの挿入を確認した。その結果、2個体で外来遺伝子の挿入が確認されたことから、M2世代において外来遺伝子の存在の可能性があると判断された。現在、上記のベクターが完全に除去された個体同士を放任受粉させ、M2世代を新たに展開し、CADホモ型変異体を選抜している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初2年間で行う形態、リグニン含量、リグニンモノマー、消化性の調査が1年間で完了した。
PCRベースで確認したヌル分離個体(M1世代)を用い、それを放任受粉してM2世代を展開したが、k-mer解析によりヌル分離個体に断片化した外来遺伝子が残存していることが発覚した。
現在は、k-mer解析の結果、外来遺伝子が完全に除去されたヌル分離個体3個体を放任受粉させ、M2世代を新たに展開し、CADホモ型変異体を選抜しており、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

現在、外来遺伝子が完全に除去されたヌル分離個体を放任受粉させており、今後は、新たに得られたM2世代よりCADホモ型変異体を選抜する。さらに、ホモ型変異体同士で放任受粉することで、大量に種子を生産し、CADホモ集団を作成する。また、次の隔離ほ場での栽培試験に向けて、実験計画書を作成し、主務大臣に提出する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] The expression of lignin biosynthesis genes during plant development and effects of downregulated cinnamyl alcohol dehydrogenase (CAD) gene in bahiagrass (Paspalum notatum Flugge)2024

    • 著者名/発表者名
      Ng HM, Gondo T *, Yamada T, Tanaka H, Akashi R
    • 雑誌名

      Grassland Science

      巻: 70 号: 2 ページ: 67-76

    • DOI

      10.1111/grs.12419

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] CRISPR/Cas9 mediated knockout of NYC1 gene enhances chlorophyll retention and reduces tillering in Zoysia matrella (L.) Merrill2024

    • 著者名/発表者名
      Ng HM, Gondo T *, Tanaka H, Akashi R
    • 雑誌名

      Plant Cell Reports

      巻: 43 号: 2

    • DOI

      10.1007/s00299-023-03130-6

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] バヒアグラスにおけるリグニン生合成に関わる CAD 遺伝子のゲノム編集 - CAD 変異遺伝子座 のホモ集団の作出とその評価 -2024

    • 著者名/発表者名
      綿島 彩華, 権藤 崇裕, 明石 良
    • 学会等名
      日本育種学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] コウシュンシバにおける STAYGREEN(SGR )遺伝子のゲノム編集2024

    • 著者名/発表者名
      平田 真里菜, Hwan May Ng, 権藤 崇裕, 明石 良
    • 学会等名
      日本育種学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] タイヌビエのカルスの性状と効率的な組織培養系の確立2024

    • 著者名/発表者名
      権藤崇裕, 菅原まなみ, 岩上哲史
    • 学会等名
      日本育種学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ゲノム編集による常緑シバ新規育種素材の開発: NYC1 遺伝子をノックアウトしたコウシュンシバの作出と評価2024

    • 著者名/発表者名
      Hwan May Ng, 平田 真里菜, 権藤 崇裕, 明石 良
    • 学会等名
      日本育種学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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