研究課題/領域番号 |
23K05574
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
|
研究機関 | 酪農学園大学 |
研究代表者 |
樋口 豪紀 酪農学園大学, 獣医学群, 教授 (00305905)
|
研究分担者 |
権平 智 酪農学園大学, 獣医学群, 准教授 (80795089)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2027年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | マイコプラズマ / 気管上皮細胞 / サイトカイン / ウシ / 呼吸器感染症 / 免疫回避 / 気管上皮 |
研究開始時の研究の概要 |
マイコプラズマは多くの動物種において慢性・持続性の感染症を惹起し、多くは難治性 疾患へと移行することが獣医学領域において広く注目されている。本研究では、人類にとって重要な生物資源であるウシに対し極めて重篤な感染症 (ウシマイコプラズマ性肺炎)を引き起こすマイコプラズマ種(Mycoplasma bovis: M. bovis)に 着目し、長期生存戦略に関わる機能的特性、すなわちM. bovisの免疫回避機構を解明する。 一連の研究は我々が独自に分離培養に成功したウシ気管上皮細胞によって網羅的に展開す る。得られる知見は学術的に高い新規性を有し本感染症制圧に帰する基礎知見になることが期待される。
|
研究実績の概要 |
M.bovisによるウシ呼吸器感染症の発生率は過去5年において急速に増加し、特に免疫機能が成熟してない3ヶ月齡の子牛に多発する。個体飼育から集団飼育への移行後に感染することが多く、急性期は特徴的な発咳や発熱などの症状に始まり、慢性期になると重度の呼吸困難を呈して死の転機を迎えることが多い。有効な治療法も確立されておらず、抗生剤による治療が一般的に行われる。多くは難治性を示し、回復後も関節炎や中耳炎が継発したり、著しい発育遅延などを引き起こすため、酪農・畜産領域における経済損失が高い。マイコプラズマ性肺炎の病理学的特徴は「乾酪壊死病変」である。牛の呼吸器感染における凝固壊死は極めて稀な病態であり、臨床的な回復後も病変組織は吸収されることがないため、長期にわたり微生物とともに肺組織に存在することになる。M.bovisによる肺炎が他の微生物によるものに比較して重症化するメカニズムについては、未だ十分な解明には至っていない。獣医・畜産領域において早急な解決が求められる疾患である。本研究では、これらM.bovisに対する気管上皮細胞の免疫応答性について評価した。その結果、M.bovis(PG45株)刺激に伴うウシ気管上皮細胞 のIL-1、IL-6、TNFはM.bovisのMOI依存性に有意(p<0.05)に上昇することが明らかになった。このことより、牛のマイコプラズマ性肺炎では、M.bovisに対するbTECの直接的な応答性が、病態形成の一因をなす事が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画に沿って順調に進展しております。
|
今後の研究の推進方策 |
M.bovisの数少ない病原因子に特定されているバイオフィルムの産生能の制御について評価する。また、BRDCの主要な二次要因であるPasteurella multocidayaやManheimia haemolyticaの病態形成にM. bovisが及ぼす影響等について、免疫学的側面から明らかにする。
|