研究課題/領域番号 |
23K05577
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 日本獣医生命科学大学 |
研究代表者 |
山本 一郎 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 教授 (00424763)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ネコ / GPR84 / GPR43 / FFAR2 / ヘテロ2量体 / GPCR / Gタンパク質共役型受容体 / 中鎖脂肪酸 |
研究開始時の研究の概要 |
脂肪酸は細胞膜のGタンパク質共役型受容体(GPR)を活性化するリガンドとしても機能する。中鎖脂肪酸はリガンドとしてGPR84に結合し、ヒトでは免疫調節・代謝・骨形成に関わると考えられている。ネコGPR84も中鎖脂肪酸により活性化され、骨髄球系細胞とマクロファージにおいて発現していたが、奇しくも短鎖脂肪酸の受容体FFAR2も同細胞で発現し、GPR84とFFAR2がヘテロ2量体を形成するなど新規の知見を有していた。しかしながら、その機能や疾病への影響は不明であり、我々はネコGPR84の受容体としての機能、アンタゴニストの影響およびGPR84遺伝子の一塩基多型(SNP)による疾病との関連の解明する。
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研究実績の概要 |
脂肪酸はエネルギーだけでなく、細胞膜のGタンパク質共役型受容体(GPR)を活性化するリガンドとしても機能する。中鎖脂肪酸はリガンドとしてGPR84に結合し、ヒト・マウスでは免疫調節・代謝・骨形成に関わると考えられている。 ネコのGPR84も中鎖脂肪酸により活性化され、骨髄球系細胞とマクロファージにおいて発現していたが、奇しくも短鎖脂肪酸の受容体FFAR2も同細胞で発現し、GPR84とFFAR2がヘテロ2量体を形成するなど新規の知見を有していた。しかしながら、その機能や疾病への影響は不明である。本申請課題はネコGPR84の受容体としての機能、アンタゴニストの影響およびGPR84遺伝子の一塩基多型(SNP)による疾病との関連の解明を目的とする。 R5年度に申請者はネコGPR84の機能解析を行った。ネコFFAR2/GPR43との共役に注目し、バイプロモーター機構を有する哺乳類動物細胞発現ベクター(pBI-CMV1)にGPR84とFFAR2/GPR43を挿入し、同一細胞にて同時に発現するHEK293細胞を確立した。同細胞を用い、それぞれの受容体のリガンドである中鎖脂肪酸および短鎖脂肪酸をそれぞれ培地中に添加し、細胞内cAMP濃度変化をGloSensor cAMP法により測定した。結果GPR84、FFAR2/GPR43を単独で発現する細胞より、GPR84とFFAR2/GPR43を同時に発現するHEK293細胞では両リガンド添加によりEC50値が低下する傾向が観察された。GPR84とFFAR2/GPR43は共に細胞内にGタンパク質を共役する受容体であるが、リガンド添加によりcAMP濃度が抑制されるGi型のアルファサブユニット構造をもつ。今回の結果から、GPR84とFFAR2/GPR43のヘテロ2量体形成が細胞内シグナル伝達に影響を与えることが考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
採択時の計画を比べ、おおむね順調に進展しているが、細胞内カルシウム濃度測定が予定より遅延している。
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今後の研究の推進方策 |
採択2年目に当たる今年度はGPR84とFFAR2/GPR43がヘテロ2量体を形成する培養細胞を用い、既存アンタゴニスト投与による細胞内情報伝達経路の解析を行う。それぞれのアンタゴニスト合計11種を用い、ヘテロ2量体化によるEC50値の変化の有無を解析する。
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