研究課題/領域番号 |
23K05578
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
|
研究機関 | 麻布大学 |
研究代表者 |
山田 一孝 麻布大学, 獣医学部, 教授 (80292093)
|
研究分担者 |
相原 尚之 麻布大学, 獣医学部, 講師 (50821732)
風間 啓 麻布大学, 獣医学部, 助教 (80845298)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 牛 / Digital Radiography (DR) / Computed Tomography (CT) / 排泄性尿路造影 / X線 / 超音波 / 内視鏡 / 手術 / Digital Radiography / 画像診断 / CT |
研究開始時の研究の概要 |
Digital Radiography(DR)で検出された画像所見について,超音波検査,内視鏡検査,CT検査,外科手術,病理検査で裏付けを取り,DR画像所見の意味を明らかにすることで,精度の高い診断法を確立する. さらに,症例の臨床経過を追跡し,DR所見から牛の厳格な治療適応基準を作成する.
|
研究実績の概要 |
麻布大学産業動物臨床教育センターに入院した牛の全症例にDigital Radiography (DR)によるX線検査を実施した.また,精査が必要な症例に対して排泄性造影検査,超音波検査,内視鏡検査,Computed Tomography (CT)検査を追加で実施した.さらに,手術症例は手術所見を,死亡した症例は剖検所見を収集し,X線画像所見と比較した. 排泄性尿路造影では,臍疾患に起因する膀胱の形態異常(尿膜管憩室,尿膜管違残)の描出が可能であった.また,外科手術後に膀胱が正常な形と位置に戻ることを画像検査で「見える化」した.さらに膀胱の形態異常を客観的に示す指標を開発し,手術後に指標の数値が改善することを明らかにした.X線検査のみでは異常が認められなかった起立不能の症例に対して造影CTを実施することで外腸骨動脈血栓を明らかにした.このようにX線検査単独では判断できなかった画像所見をCT検査で確認することで,正常所見と異常所見の蓄積を行った. その他,2023年度は,肺炎,第4胃変位,臍ヘルニア,関節炎,骨折,股関節脱臼,中耳炎,第2胃内金属異物,心奇形,気管血管腫,尿膜管憩室,関節炎の症例を収集した.これらの症例の転帰を解析し,本研究の目的である「厳格な治療適応の基準作成」のための基礎データとする. 本研究を通じてCT検査後にX線検査を回顧的に見直すことで,異常所見なし症例は正常像,異常所見あり症例は異常像の蓄積として,牛のX線読影教材を作成した.さらに,CT検査で症例の生前診断ができたことで,生きた状態での症例の身体検査に戻ることができ,身体検査所見と病態をつなげて考えさせる臨床教育にも貢献した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2023年度は,症例に恵まれたため,163件,1,543枚のDR検査データを収集が可能であった.X線で骨格系に異常所見を示さない子牛の動脈血栓症をCTで明らかにした症例を,国際学会で口頭発表するとともに,国際誌に掲載された.排泄性尿路造影で臍疾患に起因する膀胱の形態異常を国内学会と国際学会でそれぞれ発表した.
|
今後の研究の推進方策 |
今年度,産業動物臨床教育センターに育成牛の撮影ができるガントリー径の大きなCT装置が導入されるため,CT検査の実施が容易になる.そこで,継続して症例データの蓄積を行う.また,DR検査の画像所見を他の検査手法や手術で裏付けることができた症例を症例報告としてまとめるとともに,症例別の予後の解析を実施する. 血管腫と冠状動脈瘻を併発したホルスタインの症例について,学会発表の準備を行っている.
|