研究課題/領域番号 |
23K05585
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
福士 秀悦 国立感染症研究所, ウイルス第一部, 室長 (80373398)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ヘルペスBウイルス / VSVシュードタイプ / エントリー機構 / B virus / pseudotype virus / receptor |
研究開始時の研究の概要 |
カニクイザル等マカク属サルを自然宿主とするヘルペスBウイルス(以下、Bウイルス)は、サルの咬傷などによりヒトに感染すると致死的な疾患を引き起こす。Bウイルスはヒトの単純ヘルペスウイルス(HSV)と近縁であり遺伝子構造、抗原性が類似している。しかし、HSVとは異なる細胞侵入(エントリー)機構を持つ。本研究は、Bウイルスに特徴的なエントリー機構を明らかにするため、申請者らがこれまで開発してきたVSVシュードタイプを利用する新規のアプローチである。Bウイルスが、どのような受容体を利用して、どのような細胞に感染するかを解析し、HSVとの感染性の違いを明らかする。
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研究実績の概要 |
これまで、申請者はヘルペスBウイルス(Bウイルス)のエンベロープタンパク質gD, gB, gH/gLを被った水疱性口内炎(VSV)シュードタイプ(VSV/BV/pv)の作製と、これを用いたBウイルス中和抗体検出法の開発を行ってきた。本研究はVSV/BV/pvを用いた手法により、Bウイルスのエントリー機構を明らかにすることを目的とする。令和5年度は、VSV/BV/pv作成時に用いるエンベロープタンパク質の組み合わせによってVSV/BV/pv の感染性に影響するかを検討した。gDを欠いたVSV/BV/pvはVero細胞への感染性がほとんど見られなかった。gD, gB, gH/gLに加え、gCを用いてもVSV/BV/pv のVero細胞への感染性にはほとんど影響がなかった。これらの結果は神経芽腫由来IMR32細胞を用いても同様であった。また、VSV/BV/pvのVero細胞への感染は、バフィロマイシンA1、塩化アンモニウム、クロロキンで阻害されず、細胞表面での細胞膜との膜融合を介してLow-pH非依存的に感染すると考えられた。これらは既報の感染性HSV-1を用いた実験結果と一致するものであった。さらに、多くの細胞腫を用いたVSV/BV/pv感染性の検討が必要であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各種エンベロープタンパク質の発現、Bウイルスシュードタイプ(VSV/BVpv)の作製およびBVSV/BVpv感染性の検証ができた。
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今後の研究の推進方策 |
Bウイルスシュードタイプ(VSV/BVpv)を用いた、種々の細胞への感染性の検討および、gD欠損VSV/BVpvが感染する細胞の探索を行う。
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