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精巣内の生殖細胞・セルトリ細胞を置換する技術の開発と異種移植への応用

研究課題

研究課題/領域番号 23K05587
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分42030:動物生命科学関連
研究機関東京大学

研究代表者

遠藤 墾  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (40813936)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード精巣 / 精子形成 / セルトリ細胞 / 精原細胞 / 体外移植 / 減数分裂 / 細胞分化
研究開始時の研究の概要

大型家畜の精子をマウス精巣内で作出できれば、大型動物の精子形成を簡便に解析・評価することが可能となるほか、優良個体の精子を安定的かつ経済的に効率良く供給することができる。しかし従来の精原細胞移植法では、マウス精巣に家畜の精原細胞を移植しても精子形成が起こらない。これはマウス精巣内のセルトリ細胞が家畜の精子形成を支持できないことが考えられる。本研究ではマウスをレシピエントとし、精巣内の生殖細胞とセルトリ細胞の両方をドナー由来の細胞に置換する技術を開発し、家畜を含む異種移植への応用を目指す。本研究の成果は、希少種や優良品種の効率的な生産への応用など、畜産分野への波及効果が期待できる。

研究実績の概要

家畜を含む異種動物の精子をマウスの精巣内で作出できれば、大型動物の精子形成を簡便に解析・評価することが可能となるほか、優良個体の精子を安定的かつ経済的に効率良く供給することができる。しかし精子作出のための従来の細胞移植法では、マウス精巣に家畜由来の精子の前駆細胞(精原細胞)を移植しても精子形成が起こらない。これはマウス精巣内に存在するマウスセルトリ細胞(体細胞)が家畜など遠縁種の精子形成を支持できないことが考えられる。
本研究ではマウスをレシピエントとし、精巣内の生殖細胞とセルトリ細胞の両方をドナー由来の細胞に置換する技術を開発し、家畜を含む異種移植への応用を目指す。本研究の成果は、鳥類や魚類への外挿も可能であり、希少種や優良品種の効率的な生産への応用など、畜産・水産分野への幅広い波及効果が期待できる。
令和5年度は、ドナーおよびレシピエントともマウスを用いた、同種間の細胞移植における技術開発を目的とした。具体的には、免疫不全化させたセルトリ細胞除去モデルマウスをレシピントとし、精細管内の生殖細胞やセルトリ細胞の除去するため、実験条件の最適化を行った。レシピエントマウスにおける細胞の除去効率の評価として、オスだけでなく、メスのマウスも用いた。
また、ドナーおよびレシピエントに用いるマウスにおいて、それぞれの適切な月齢を理解するため、精巣内の生殖細胞やセルトリ細胞、および個体の妊よう性に与える加齢の影響を解析した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

レシピエントに用いる免疫不全化マウスに対し、生殖細胞およびセルトリ細胞を除去する各種薬剤を用い、濃度・投与時期の条件検討を行い、最適化した。特に、オスにおいてセルトリ細胞(精子の支持細胞)を効率的に除去する濃度は、メスにおいて薬剤感受性のある顆粒膜細胞(卵の支持細胞)を除去する濃度より低濃度であり、細胞ごとの除去効率の違いを明らかにした。
また、ドナーおよびレシピエントに用いるマウスの適切な月齢を理解するため、精巣内の生殖細胞やセルトリ細胞の加齢影響を解析した。近交系マウスでは12ヶ月齢から妊よう性が低下し、18ヶ月齢以降で精子の機能が低下することを明らかにした。一方、免疫不全マウスでは、近交系マウスより早い月齢で、妊よう性の低下や精巣内の生殖細胞数の減少が起こることを明らかにした。

今後の研究の推進方策

令和6年度は、レシピエントマウス精巣内の生殖細胞およびセルトリ細胞を、令和5年度にて最適化した薬剤条件および月齢を用いて除去後、他個体からの細胞移植を実施する。
具体的には、マウスをドナーとし、蛍光で標識したドナー細胞をレシピエント精巣に移植後、各細胞の生着度合いや精子形成の効率を評価する。続いて、異種ドナー細胞のレシピエントマウスへの移植を、まずはマウスの近縁種をドナーに選定し、実施する。
最終的には補助事業期間中に、マウスの遠縁種である家畜をドナーとし、異種精子形成における実験系の評価・開発を目指す。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Multiple ageing effects on testicular/epididymal germ cells lead to decreased male fertility in mice2024

    • 著者名/発表者名
      Tsutomu Endo, Kiyonori Kobayashi, Takafumi Matsumura, Chihiro Emori, Manabu Ozawa, Shimpei Kawamoto, Daisuke Okuzaki, Keisuke Shimada, Haruhiko Miyata, Kentaro Shimada, Mayo Kodani, Yu Ishikawa-Yamauchi, Daisuke Motooka, Eiji Hara, Masahito Ikawa
    • 雑誌名

      Communications Biology

      巻: 7(1) 号: 1 ページ: 1-6

    • DOI

      10.1038/s42003-023-05685-2

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Age-related decline in spermatogenic activity accompanied with endothelial cell senescence in male mice_2023

    • 著者名/発表者名
      Manabu Ozawa, Hideto Mori, Tsutomu Endo, Yu Ishikawa-Yamauchi, Daisuke Motooka, Chihiro Emori, Masahiro Ikawa
    • 雑誌名

      iScience_

      巻: 26(12) 号: 12 ページ: 108456-108456

    • DOI

      10.1016/j.isci.2023.108456

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] マウス顆粒膜細胞の除去による卵巣機能不全モデルマウスの作出2023

    • 著者名/発表者名
      遠藤 墾、大山 夏実、渡邊 恭子、早川 佳那、頼 添賦、中野 有紀、藤岡 慶史、末水 洋志、後藤 元人、高橋 利一、平手 良和、金井克晃、金井正美
    • 学会等名
      第70回 日本実験動物学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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