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ウイルス由来遺伝子の獲得・機能進化による胎生哺乳類胚発生システムの進化

研究課題

研究課題/領域番号 23K05588
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分42030:動物生命科学関連
研究機関山梨大学

研究代表者

志浦 寛相  山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (10451907)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワードウイルス由来遺伝子 / PEG10 / 哺乳類進化 / レトロウイルス / 獲得遺伝子
研究開始時の研究の概要

PEG10 はレトロウイルスを起源とし有袋類・真獣類の共通祖先で獲得された遺伝子である。申請者らはKOマウスの解析から、Peg10 が真獣類の胎盤形成に不可欠であることを明らかにした。しかしPEG10が「胎仔や脳で発現している」「有袋類でも保存されている」ことを考えると、その機能は真獣類・有袋類で広範に保存されている可能性が高い。そこで本研究では「有袋類・真獣類に共通したPEG10機能」を明らかにするために各種Peg10ミュータントマウスの解析を行う。本研究とこれまでの「PEG10獲得と胎盤進化」の研究を統合させることで、PEG10の獲得が有袋類・真獣類の進化に果たした役割を明らかにしたい。

研究実績の概要

PEG10は卵生の単孔類と胎生の有袋類・真獣類の分岐後に感染し たウイルスが起源となって獲得された新規遺伝子であると考えられている。我々はノックアウト(KO)マウスを含む複数のミュータントマウスの解析から、Peg10が真獣類独自の発生システムに必須な胎盤の形成に不可欠な遺伝子であることを明らかにしてきた。しかし、PEG10が「胎盤以外でも胎仔や脳などで発現がみられること」「有袋類でも保存されていること」を考えると、その機能は胎盤形成にとどまらず真獣類・有袋類で広範に保存されている可能性が高い。我々はそれら機能が「有袋類・真獣類の胚発生システムの成立および進化に大きな役割を果たした」といった仮説を検証することを目的として、PEG10機能を明らかにするための各種解析を実施している。
そのようなPeg10の未知機能を明らかにするためには、各種Peg10ミュータントマウスを作製しそれらでみられる異常の詳細を知ることが必須であると考え、今年度はまず胎生期から出生後における一般的なマウス表現型解析を実施した。その結果、あるミュータントでは重度の致死性を伴う胎仔期成長不良を、別のミュータントでは胎仔期中期からの成長不良を示した。また胎仔期に異常はみられないものの、出生後離乳期までに重度の成長不良を示すミュータントも確認できており、これら複数のPeg10ミュータントマウスの表現型解析により、Peg10KOマウスの解析だけでは分からなかった未知のPeg10機能の一端が分かり始めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでの各種Peg10ミュータントマウスの表現型解析から、Peg10欠損により重度の致死性や極端な成長不良が起きることが明らかとなり、翌年度以降のPEG10機能探索の準備が整った。

今後の研究の推進方策

当初の計画通り、各種Peg10ミュータントマウスのPEG10欠損組織に起きている異常の詳細を形態観察及び遺伝子発現解析等により実施する予定である。また有袋類PEG10Tgマウスによるレスキュー実験についても開始の準備が整っているため交配実験を開始する。これまでで最も進捗が早いミュータントマウスの解析結果については論文投稿準備を進めていく。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] ウイルス由来遺伝子による胎盤初期発生と構造・機能維持2024

    • 著者名/発表者名
      志浦 寛相
    • 雑誌名

      月間 細胞

      巻: 56 ページ: 192-195

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Roles of retrovirus-derived PEG10 and PEG11/RTL1 in mammalian development and evolution and their involvement in human disease2023

    • 著者名/発表者名
      Shiura Hirosuke、Kitazawa Moe、Ishino Fumitoshi、Kaneko-Ishino Tomoko
    • 雑誌名

      Frontiers in Cell and Developmental Biology

      巻: 11 ページ: 1273638-1273638

    • DOI

      10.3389/fcell.2023.1273638

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ウイルス由来遺伝子がもたらした父親ゲノム特異的機能2023

    • 著者名/発表者名
      志浦 寛相
    • 学会等名
      日本遺伝学会 第95回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] レトロウイルス由来PEG10遺伝子の新規機能と哺乳類進化への関与2023

    • 著者名/発表者名
      志浦 寛相, 藤井 万由子, 片口 紗那, 安藤 史竜, 中島 希, 大我 政敏, 若山 照彦, 幸田 尚, 金児-石野 知子, 石野 史敏
    • 学会等名
      第46回日本分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 真獣類特異的レトロウィルス由来遺伝子Sirh 4, 5, 6 の機能解析2023

    • 著者名/発表者名
      藤岡 慶史, 志浦 寛相, 石井 雅之, 小野 竜一, 遠藤 墾, 平手 良和, 伊藤 日加瑠, 金井 正美, 石野金児 知子, 石野 史敏
    • 学会等名
      第46回日本分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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