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形質転換成長因子β関連シグナルを標的とするうつ病の治療法の探索

研究課題

研究課題/領域番号 23K05602
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分42040:実験動物学関連
研究機関獨協医科大学

研究代表者

鹿子木 将夫  獨協医科大学, 医学部, 准教授 (30950547)

研究分担者 野元 謙作  獨協医科大学, 医学部, 講師 (30786976)
神作 憲司  獨協医科大学, 医学部, 教授 (60399318)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワードAAVベクタープラスミド / AAVパッケージング / 3'UTR置換マウス / コルチコステロン誘発うつ病 / ショ糖嗜好性試験 / 尾懸垂試験 / コルチコステロンELISA / 光遺伝学的TGF-β受容体 / 光遺伝学
研究開始時の研究の概要

本研究は、神経生理学の分野で汎用されているうつ病の動物モデルであるコルチコステロン誘発うつ病モデルマウス(Gregus A et al, Bahav Brain Res,2005)において、3’UTR置換法および光遺伝学的手法を用いて、TGF-β関連シグナルの適度な補充がうつ病を軽減できるかどうかについて調べる。

研究実績の概要

a) 遺伝子組み換えによる全身のTGF-β1の発現レベルの変化がうつ様行動に与える影響
研究代表者が米国留学中作成した、TGF-β1のmRNAレベルを野生型(WT)の最小約10%から最大約300% まで5段階に変化させた遺伝子滴定マウス( Tgfb1 L/L、 Tgfb1 L/+、WT、 Tgfb1 H/+および Tgfb1 H/H)にうつ状態の程度を判定する標準的な行動実験(糖嗜好性試験および尾懸垂試験)を行った。その結果、Tgfb1 L/Lマウスにうつ傾向がみられた。
次にコルチコステロンの慢性経口投与により、すべてのTgfb1遺伝子型のマウスにおいてうつ様行動は増強したが、血漿コルチコステロン濃度およびうつ状態の程度においてTgfb1遺伝子型間の差は減弱しなかった。 この結果は、血漿コルチコステロン濃度の差が、コルチコステロン産生能力の相違によるものではないことを示唆している。
これらの実験結果は、以下の学会にていずれも口頭にて発表した。(1)2023年度獨協医学会学術集会:形質転換成長因子β1低発現マウスにおける糖嗜好性の低下(2)2023年度日本生理学会大会:Depression-like behaviors in mice underexpressing transforming growth factor-β1
b) 光遺伝学的TGF-βシグナル刺激がうつ様行動に与える影響
光遺伝学的TGF-β受容体(optoTGFBRs)を全細胞、神経細胞、マイクログリア、および血管内皮細胞にそれぞれ特異的に発現させるAAV9ベクターの作成を完了させた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究代表者が所属する研究室の実験助手の方々の献身的努力や、研究分担者・研究協力者の惜しみない助言や協力によって、研究はおおむね順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

これまでの遺伝子操作マウスを用いた実験結果より、 当初の仮説の通り、TGF-beta1は コルチコステロン誘発うつ病において、 防御的に作用している可能性が高いと考えられるが、今後はその機序について詳細に検討する予定である。 過剰量の外因性コルチコステロンの経口負荷がTGF-beta1遺伝子間のうつ病の程度の相違をさらに増強させる傾向があるため、コルチコステロンの分解経路の異常がTgfb1 L/Lマウスのうつ病の原因となっている可能性がある。コルチコステロンの分解は11β-hydroxysteroid dehydrogenase 2 (11β-HSD2)によるとされ、逆に分解された11β-dehydrocorticosteroneは11β-HSD1 によって再活性化される。この可能性を、11β-HSD1阻害薬であるemodinや11β-HSD2阻害薬であるitraconazoleを投与することによってTgfb1 L/Lマウスにおけるうつ病が改善されるかによって調べる予定である。

また、研究分担者の野元謙作講師の技術協力のもと、完成させたAAV-optoTGFBRsをうつ病を誘発させたマウスの海馬領域に定位脳手術的に注入し、同箇所に光ファイバーを挿入し、光刺激によりコルチコステロン誘発うつ病を軽減させることができるかを調べる予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 形質転換成長因子β1低発現マウスにおける糖嗜好性の低下2023

    • 著者名/発表者名
      鹿子木 将夫
    • 学会等名
      2023年度獨協医学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Depression-like behaviors in mice underexpressing transforming growth factor-β12023

    • 著者名/発表者名
      鹿子木 将夫
    • 学会等名
      2023年度日本生理学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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