研究課題/領域番号 |
23K05617
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42040:実験動物学関連
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
和田 健太 東京農業大学, 生物産業学部, 教授 (20508113)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 小眼球症 / ラット / 左右非対称 / 遺伝的背景効果 / 母体効果 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒト小眼球症は、極めて重篤な先天性の眼球疾患であり、多様な病態を認め、左右の眼球間に異なる病態を示すことが知られている。しかし、このような病態の不均一性を引き起こす遺伝的要因は実証されていない。申請者は、ヒト小眼球症に類似した表現型の不均一性を、遺伝的に再現する無眼球ラットを樹立し、その原因が第16番および第2番染色体にあることを明らかにした。本研究の目的は、それら染色体領域をそれぞれ感受性の異なる複数のラット系統に導入した病態分離モデルを樹立し、小眼球症の不均一性に複数の遺伝的要因が関与すること、ならびに、眼球発生と成熟において左右間の組織や分子に不均一性が存在するかを検証することにある。
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研究実績の概要 |
①NAKラットは、第16番染色体の複数の遺伝子座および第2番染色体の遺伝子座を主要な原因として無眼球症を引き起こす。また、これらの遺伝子座は、異なる遺伝的背景との交配によって、ラットにヒト小眼球症と類似した不均一な病態を引き起こすことも明らかになっている。本年度は、Brown Norway(BN)およびFischer 344(F344)にそれぞれNAKの第16番染色体(Chr.16NAK)および第2番染色体(Chr.2NAK)の遺伝子座を導入したコンジェニックラットの作製を試みた。NAKとBNとの4世代の戻し交配は、第16番染色体の広範囲な領域をChr.16NAKに置換したラットの作製に成功した。 ②NAKは前述したように、異なる遺伝的背景との混合によってヒト小眼球症と類似した左右非対称な病態を呈する。本年度は、矮小化した眼球の病態を調査した。Crl:CD(SD)、BN、およびF344との戻し交配個体(N2)においてみられた矮小眼球の重量は1 mg~40 mgであった。このうち、31~40.9 mg眼球の33.3%は網膜肥大、角膜菲薄、および網膜菲薄の傾向を示したが、正常な組織像と大きな差異は認められなかった。一方、11~29 mg眼球の66.6は無虹彩および網膜菲薄を呈した。さらに、1~10.9 mg眼球のほとんどは、無虹彩と網膜菲薄を示した。以上の結果は、NAKの小眼球が虹彩および網膜組織の発生不全に起因することを示唆した。次年度は胎児期を含めて左右の病態について調査する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
Chr.16NAKをBNに導入したコンジェニック系統は順調に進んでいるものの、Chr.2NAKは2世代以降に進んでいない。また、F344についても2世代以降の作出に至っていない。この原因は繁殖環境の問題であると考えている。 全ゲノムリシークエンシングによる変異解析およびコピーナンバー解析に用いる胎児眼球由来のゲノムDNAは準備できつつある。胎児の左右眼球間におけるトランスクリプトーム解析に用いるトータルRNA(SDおよびNAK、左右それぞれn=3)についても抽出済みである。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、本年度に調製したゲノムDNAを用いて、ロングリードのNGS解析による変異解析およびコピーナンバー解析を実施する。これにより、NAKの第16番および2番染色体に存在する小眼球症の関連遺伝子を明らかにできると期待している。加えて、左右を区別して抽出したトータルRNAを用いたトランスクリプトーム解析は、NAKの眼球発生異常だけでなく、左右眼球間における遺伝子発現プロファイルを明らかになることが期待される。加えて、左右眼球間におけるゲノムのメチレーションの違いについても調べたい。一方、遅延しているコンジェニック系統の作製については、BNおよびF344を新たに購入し、引き続き交配を継続する。
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