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出芽酵母におけるプロモーターリプログラミング因子の同定とコア因子選択機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K05642
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分43010:分子生物学関連
研究機関横浜市立大学

研究代表者

古久保 哲朗  横浜市立大学, 生命医科学研究科, 教授 (10271587)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード転写制御 / 基本転写因子 / TFIID / SAGA
研究開始時の研究の概要

基本転写因子TFIIDとその類縁複合体であるSAGAは、いずれもTBPの活性を制御するコア因子であるが、転写における機能分担についてはまだよく分かっていない。最近我々は、塩基配列を改変することなくTFIID依存性をリプログラミングすることに成功し、本現象にはリプログラミング因子と名付けた未知の相転移産物の生成と維持が重要であることを明らかにした。
そこで本研究では、①リプログラミング因子の同定、②当該因子の複製・維持機構の解明、③ゲノムワイドな解析手法を用いたリプログラミング機構の普遍性に関する検討、④関連するシス配列の同定等により、コア因子の機能分担に関して新たな知見を得ることを目指す。

研究実績の概要

最近我々は、PGK1プロモーターのTFIID非依存的な転写を、塩基配列を改変することなく(エピジェネティックに)TFIID依存的な転写へとリプログラミングすることに成功した。具体的には、TFIID変異(温度感受性taf1-N568delta変異)とSAGA変異(spt3欠損変異)を一時的に共存させ、その後SAGA変異を除去することにより、PGK1転写をTFIID非依存性モードからTFIID依存性モードへと変換できることを見出した。また本現象にはリプログラミング因子と名付けた未知の相転移産物の生成と維持が重要であることを強く示唆する結果が得られたことから、本研究ではその同定と作用機序の解明を目指している。
今年度は、9種類のサブユニット(Not1, Not2, Not3, Not4, Not5, Caf1, Ccr4, Caf40, Caf130)から構成されるCcr4-Not複合体がリプログラミング因子の本体ではないかと考え、ccr4欠損変異またはcaf1欠損変異の存在下において上記のリプログラミング操作を行い、PGK1プロモーター上でのリプログラングの有無を調べた。その結果、ccr4欠損変異の存在下ではほぼ完全に、またcaf1欠損変異の存在下では部分的にリプログラミング効率が低下することが明らかとなった。以上の結果は、リプログラミング因子の本体がCcr4-Not複合体の相転移産物であることを強く示唆している。また興味深いことに、両変異の導入のみではリプログラミングが起こらなかったことから、Ccr4-Not複合体は相転移により新たな機能を獲得したものと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

リプログラミング因子の本体がCcr4-Not複合体の相転移産物であることを強く示唆する結果が得られたことから。

今後の研究の推進方策

リプログラミング後もSAGAを介する継続的な転写反応がリプログラミング因子の複製・維持に必要であるかについて調べるため、必要な酵母株の作製を進める。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] TFIID dependency of steady-state mRNA transcription altered epigenetically by simultaneous functional loss of Taf1 and Spt3 is Hsp104-dependent2023

    • 著者名/発表者名
      Iwami R, Takai N, Matsutani M, Shiwa Y, Kokubo H, Kasahara K, Kokubo T.
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 18 号: 2 ページ: e0281233-e0281233

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0281233

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Taf1 N-terminal domain 2 (TAND2) of TFIID promotes formation of stable and mobile unstable TBP-TATA complexes2023

    • 著者名/発表者名
      Miyasaka Shinji、Kitada Ryota、Kokubo Tetsuro
    • 雑誌名

      Gene

      巻: 889 ページ: 147800-147800

    • DOI

      10.1016/j.gene.2023.147800

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 病原性真菌カンジダ グラブラータにおけるリボソームタンパク質遺伝子の転写制御機構の解明2023

    • 著者名/発表者名
      中村美春、島村直希、竹内建樹、中林幸佳、志波優、松谷峰之介、古久保哲朗、知花博治、笠原浩司
    • 学会等名
      第46回 日本分子生物学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 出芽酵母におけるリボソームタンパク質遺伝子の新規転写制御機構の解明2023

    • 著者名/発表者名
      島村直希、古久保哲朗、笠原浩司
    • 学会等名
      第46回 日本分子生物学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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