研究課題/領域番号 |
23K05646
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
川上 慶 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (00722836)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 分裂酵母 / 遺伝子発現制御 / RNA polymerase I / エピジェネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、「高発現遺伝子の転写を促進する機能」をRNAP I の新規機能と位置付け、その詳細を分子レベルで解き明かすことを最終的な目的とする。具体的には、① RNAP I が高発現遺伝子上に結合する分子機構を解明し、②RNAP I がRNAP II 転写を促進する分子機構を解明することでその目的を達成する。 ① :RNAP I が高発現遺伝子上に結合する分子機構をChIPseq法を用いて解明する ② - (A) : RNAP I 変異体において、高発現遺伝子上のエピゲノム変化をChIPseq法を特定する ② - (B) : RNAP I と相互作用する因子を質量分析法により同定する
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研究実績の概要 |
本研究は、「高発現遺伝子の転写を促進する機能」をRNA polymerase I (RNAP I) の新規機能と位置付け、その詳細を分裂酵母を用いて解き明かすことを最終的な目的とする。具体的には、① RNAP I が高発現遺伝子上に結合する分子機構を解明し、②RNAP I がRNAP II 転写を促進する分子機構を解明することでその目的を達成する。 本年度は①に関して以下のような結果を得た。 RNAP IがrDNA以外の染色体領域に結合する可能性を検討するため、いくつかのRNAP Iの構成サブユニットにエピトープタグを付加した分裂酵母株を作製した。また、顕微鏡下において核小体とRNAP Iの細胞内での動態を解析するために、それぞれの構成因子に蛍光タンパク質を融合した株を作製した。 また、②に関して以下のような結果を得た。 RNAP I の活性中心サブユニットであるNuc1、Rpa2を含む全てのサブユニットについて、破壊株または温度感受性株を作製した。これらの株を用いてRNAseqを行い、ゲノムワイドな遺伝子発現の解析を行なった。その結果、野生株において遺伝子発現レベルが低いヘテロクロマチン領域の遺伝子発現量がRNAP I変異体で上昇する結果を得た。また、野生株において遺伝子発現レベルが高い遺伝子に関して、RNAP I変異体で減少する結果を得た。RT-qPCRを用いて個別の遺伝子について発現量を解析し、RNAseqの結果が正しいことを確認した。 以上のことから、RNAP Iが非rDNA領域に存在する遺伝子の発現レベルを制御することを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の異動に伴い、研究開始のセットアップに時間を要した為、研究が計画よりもやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後、研究計画①に関しては、RNAP Iの構成因子にエピトープタグを付加した株を用いてChIPseqを行い、染色体における結合部位を明らかにする。また、研究計画②に関しては、RNAP I変異株で発現が変動した遺伝子に関して、ヒストン修飾などのエピジェネティックな状態の変化を解析する。
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