研究課題/領域番号 |
23K05666
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
武田 修一 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 特任助教 (50509081)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | アクチン / ATP加水分解 / X線結晶構造解析 / 細胞骨格 / カチオン配位 / アクチンダイナミクス / カチオン選択 |
研究開始時の研究の概要 |
アクチンは繊維体Fアクチンへの重合に伴い、結合ATPを加水分解する。従ってアクチンATP加水分解機構を原子レベルで理解するためには、活性型のF型コンフォメーションアクチン構造が必須である。申請者はFアクチン切断タンパク質フラグミンのN末端側ドメイン (F1) との複合体中で、アクチン分子が繊維重合を伴わずにF型コンフォメーションに固定されることを発見し、加水分解前後構造を超高分解能 (1.15A) で決定することに成功した。本研究ではこのF型アクチン結晶化システムを利用して、ATP加水分解機構の詳細を追求する。
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研究実績の概要 |
アクチンは繊維体Fアクチンへの重合に伴い、結合ATPを加水分解する (Oda, Nature, 2009)。従ってアクチンATP加水分解機構を原子レベルで理解するためには、活性型のF型コンフォメーションアクチン構造が必須である。近年のクライオ電子顕微鏡技術の発展の恩恵を受け、3.1オングストローム分解能のFアクチン構造が報告されている (Chou, PNAS, 2019) 。しかし、これらの “近原子分解能”構造からは、加水分解反応の肝である水分子は同定できない。X線結晶構造解析はこの目的に適するが、その不定長繊維に会合する性質ゆえ、Fアクチンの単結晶化は不可能であった。申請者はFアクチン切断タンパク質フラグミンのN末端側ドメイン (F1) との複合体中で、アクチン分子が繊維重合を伴わずにF型コンフォメーションに固定されることを発見した。このF型アクチン結晶化システムを用い、加水分解前 (AMPPNP: ATPアナログ)、分解後 (ADP-Pi) 、Pi放出後 (ADP) 各構造を超高分解能 (1.15オングストローム) で決定した。本課題では、申請者が確立したF型アクチン結晶化システムを利用して、アクチンATP加水分解反応を原子分解能レベルで説明することを目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アクチンは二価カチオンとしてカルシウムイオンを含む溶液(通称G-buffer)中では極めて重合しにくく、マグネシウムイオン添加により重合が促進されることが、古くから知られているが、アクチンがどのようにカチオンを見分けているのかはわかっていない。今回カルシウムイオン存在下でF型アクチン結晶構造を決定し、マグネシウムイオン配位結晶と比較したところ、アクチン分子全体に渡るコンフォメーション変化が観察された。
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今後の研究の推進方策 |
今後の目標として、異なるカチオンを配位したアクチン構造の同定を試みル。また変異体アクチンの構造解析にも挑む。
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