研究課題
基盤研究(C)
グリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素(GAPDH)は解糖系を触媒する酵素である。その最終産物であるピルビン酸は通常は TCA サイクルに投入されるが、酸欠状態の時は、発酵過程に入って乳酸脱水素酵素(LDH)の触媒を経て乳酸に還元される。GAPDH と LDH とが相互作用することは示唆されてはいるものの、構造的な知見はまったくない。そこで、NMR の手法を駆使してこの複合体構造を決定する。発酵過程は酸欠状態にかかわらず癌細胞でも見られるため(Warburg 効果)、この仕組みの理解にも貢献できると期待している。