研究課題/領域番号 |
23K05669
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
橋本 博 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (40336590)
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研究分担者 |
原 幸大 静岡県立大学, 薬学部, 准教授 (80729343)
菱木 麻美 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (60571172)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 構造生物学 / 構造解析 / DNA損傷 / チェックポイント |
研究開始時の研究の概要 |
RHINOは卵巣がんの抗がん薬耐性を促進するタンパク質である。プラチナ系抗がん薬によってDNA損傷が生じると損傷チェックポイントが発動され、それによって、損傷DNAが修復され細胞が生存できる。がん細胞では,RHINOが9-1-1に結合することで損傷チェックポイントが促進されており,その結果,がん細胞がプラチナ系抗がん薬に対する耐性を獲得する。本研究では,タンパク質の立体構造解析によって,RHINOが損傷チェックポイントを促進するメカニズムに迫る。それよって、がん研究・創薬研究に貢献することを目指す。
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研究実績の概要 |
DNA損傷チェックポイントを活性化するヒトDNAクランプRAD9-RAD1-HUS1(以後9-1-1)、9-1-1の機能を正に制御するヒトRHINO、9-1-1をDNAに装着するヒトRAD17-RLC(9-1-1のクランプローダー)を対象に、これらが形成する複合体の構造解析から相互作用メカニズムの解明およびDNA損傷チェックポイントの制御機構の解明を目指す構造生物学的研究を進めた。DNA損傷チェックポイントはがん細胞で亢進されており、その制御メカニズムを原子レベルで解明することによって新たな創薬基盤が得られることが期待できる。 RHINOペプチド(88ー99)と9-1-1との複合体のX線結晶構造解析および9-1-1の機能を負に制御するRAD9サブユニットのC末端領域(以後、RAD9CT)との生化学的相互作用解析から、RHINO(88ー99)は9-1-1のRAD9サブユニットに結合すること、RAD9CTが9-1-1のRAD9サブユニットと分子内で結合すること、さらにRHINO(88ー99)とRAD9CTのRAD9サブユニット上の結合部位は同一であること、を明らかにした。このことから、RHINO(88ー99)はRAD9CTのRAD9サブユニットへの結合を妨げ、9-1-1の活性化状態の維持に寄与していると考えられた。これらの成果を研究論文としてとりまとめ、審査のある国際的学術誌で発表した(Hara et al. & Hashimoto, JBC, 2024)。さらに、9-1-1とRHINO(45-100)との相互作用解析を行い、相互作用メカニズムに関する新たな生化学的知見を得た(未発表)。これにより、RHINOによる9-1-1の機能制御を構造生物学的に解明するための新たな展開が見込まれた。 また、RAD17-RLCの大腸菌共発現系による精製法を再検討し、クライオ電子顕微鏡による立体構造解析に向けた試料調製を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
RHINOおよびRAD9CTによる9-1-1の機能制御に関する構造生物学的研究を研究論文としてまとめることができた(Hara et al. & Hashimoto, JBC, 2024)。RHINOと9-1-1との相互作用メカニズムに関する詳細な知見が得られ(未発表)、さらなる構造生物学的研究への展開が見込まれた。RAD17-RLCの精製法の再検討により、クライオ電子顕微鏡測定に向けた試料を調製できた。
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今後の研究の推進方策 |
RHINOによる9-1-1の機能制御の全貌を構造生物学的に解明することを目指し、詳細な相互作用解析で得られた知見に基づき、RHINO-9-1-1複合体の立体構造解析に取り組んでいく。RAD9CTが9-1-1の機能を負に制御することは生化学的に示されているが、そのメカニズムの構造基盤をえるため、複合体の結晶構造解析に取り組む。我々はこれまでに、RAD17が9-1-1のRAD1サブユニットに結合することをX線結晶構造解析によって示している(Hara, Hishiki et al. & Hashimoto, JBC, 2023)。今後は、そのRHINO-RAD1相互作用の機能的意義に迫るため、ヒトRAD17-RLCと9-1-1との複合体構造解析を目指す。
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