研究課題
基盤研究(C)
新型コロナウィルスSARS-Cov-2が産生するタンパク質 Nsp1は、ヒトリボソームを標的として、ヒトmRNAの翻訳を阻害し、また、ヒトmRNAの分解を促進する。一方、SARS-Cov-2のRNAは、Nsp1による翻訳阻害およびRNA分解を回避できる。これはRNAゲノムの非翻訳領域 (5’UTR) がNsp1と相互作用することにより、ウィルスRNAと宿主RNAを区別しているためと考えられている。本研究では、SARS-Cov-2の5’UTRが、いかにNsp1による翻訳阻害やRNA分解を回避するのか、クライオ電子顕微鏡を中心とした構造生物学的手法で解明することを目的とする。