研究課題/領域番号 |
23K05692
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 健 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (00303602)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 小胞輸送 / 小胞体 / COPII / 低分子量GTPase / 核 |
研究開始時の研究の概要 |
出芽酵母においてこれまでに同定した核局在するコートタンパク質アイソフォームNel1について、過剰発現や遺伝子欠損が核の形態や小胞輸送におよぼす影響について検討する。また、蛍光標識による局在解析によりNel1がもつと考えられる核移行シグナル/核外移行シグナルの同定を行う。一方で、ERに局在するCOPII小胞形成因子について、split-GFP法などを用いることにより、核内膜上にもSar1をはじめとする小胞輸送因子が局在しているかどうかについて検討を行う。核内局在が確認された場合、細胞内においてNel1/Sar1が核移行する生理的意義と小胞輸送との関わりについて詳細な解析を行う。
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研究実績の概要 |
真核細胞内における小胞体-ゴルジ体間の小胞輸送では、COPIIコートタンパク質が小胞体膜上に集合し、これらが低分子量GTPaseであるSar1によって制御されながら輸送小胞が形成される。このCOPIIコートタンパク質とSar1のセットは、これまで小胞体膜表面で機能するものと考えられていた。ところが、われわれのグループではCOPIIコートを形成するサブユニットのうち、Sec23サブユニットのホモログNel1が核内に移行することを独自に見いだし、またこのNel1はSar1と直接結合してGTPase活性を亢進することを明らかにしている。これらのことから、小胞体における小胞輸送因子の少なくとも一部が、核内においても何らかの生理的機能を担っていることが示唆される。 本研究では出芽酵母を材料とし、核内移行する小胞輸送因子が核内で担う機能の徹底的な理解を目指す。 令和5年度は、核移行するCOPIIコートタンパク質のホモログであるNel1について、ホモログであるSec23とのさまざまなキメラを作成し、それらをSec23温度感受性変異株やSec23欠損株中で発現させることにより、キメラの機能相補を指標にNel1分子中の機能領域の解析を試みた。また、split-GFP法によりSar1の核内局在を検討するために、核内腔や核内膜上、および小胞体膜に局在する各種マーカーの作成を行い、酵母細胞内での発現や局在の確認を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画において設定した、今年度に達成すべき項目について、ほぼすべてについて着手し、目的の結果を得ることができ、次年度の研究につながる成果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
前年度までに得られたNel1の機能領域の情報をもとに、細胞内におけるNel1の機能解析を進める。また、前年度までに作成した核内腔、核内膜、および小胞体膜に局在する各種マーカーを用いて、split-GFP法によりSar1の核内局在を検討するための準備を進める。
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