研究課題/領域番号 |
23K05693
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
富田 毅 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (20302242)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | RNA結合タンパク質 / 細胞外RNA |
研究開始時の研究の概要 |
がん転移抑制細胞「抗転移細胞」は細胞外RNAによって活性化される。この細胞外RNAの受容体はZC3H12D分子であり、この分子は様々なRNAと結合することができる。これまでの研究から、この受容体は特定の配列を持つものが結合した場合にのみ、細胞内へRNAを取り込み、最終的に核にまで輸送することを明らかにしているが、抗転移細胞の活性制御分子機構の解明には至っていない。本研究では、ZC3H12D-RNA間の相互作用、配列特異性・非特異的結合に関する詳細な分子機構の解析を行い、抗転移細胞の活性制御分子機構を解明する。
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研究実績の概要 |
本研究では、細胞外RNAのレセプターであるZC3H12Dタンパク質の生理機能解析を目的としている。ヒト培養細胞(293T細胞)における過剰発現系から精製したZC3H12Dタンパク質はその特異的リガンドであるとされるIL1b-RNAと結合するが、IL1bとは無関係のRNAであるアクチン(actb)のRNAとも結合する。このことからは、IL1b-RNAがZC3H12D依存的にNK細胞を活性化するという細胞生物学的実験データを説明できない。ZC3H12D-RNAの相互作用を解析するために、ZC3H12DとIL1b以外のRNAとの結合を調べるとともに、ZC3H12Dと類似したRNA結合タンパク質を精製し、その結合についても調べることとした。これらの結果から、ZC3H12Dの特殊性が観測されることが期待される。研究結果の詳細については、研究結果を含む論文を作成中であるため、論文が受理された後で発表するつもりである。また、ZC3H12Dシグナリングを解析するためのZC3H12D安定発現細胞を作成中である。いくつかの培養細胞にZC3H12Dの発現コンストラクトをトランスフェクションし、ZC3H12Dを安定的に発現する細胞を樹立することを試みている。大多数のものでは、ZC3H12Dの過剰発現により細胞死が起きてしまうため、安定発現株を得ることが非常に難しい。現在、細胞の試行回数を増やしているところである。また細胞外RNAの分子内シグナリングを明らかにするためのChIPアッセイを行うための条件検討を行った。THP1細胞を用いて実験を行い、ホルマリン固定および超音波破砕の条件最適化を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題と関連する論文作成を行っており、論文を完成させることを優先させたため。
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今後の研究の推進方策 |
現在作成中の論文をできるかぎり早期に投稿する。もし論文がリバイスになれば、そのための対処を行い、論文が受理されるための追加実験等を行う。
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