研究課題/領域番号 |
23K05695
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村上 良子 大阪大学, 微生物病研究所, 特任教授 (00304048)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ホスファチジルイノシトール(PI) / PIGQ / NアセチルグルコサミンPI / グリコシルホスファチジルイノシトール / ARV1 |
研究開始時の研究の概要 |
ARV1は先天性GPI欠損症の原因遺伝子の一つで、その変異により知的障害、難治性てんかんなどの神経症状をきたす。ARV1はGPI生合成の第一ステップの酵素複合体の1因子で基質であるPI の利用を促進させると考えている。一方ARV1は酵母、哺乳細胞やマウスのノックアウトの解析で脂質合成や代謝に広く関わっていると報告されている。PI合成は中性脂肪や他のリン脂質の合成に密接に関わっていることから、ARV1は脂質合成や代謝に関わる複数の因子と相互に作用して機能を発揮していると考えられる。ARV1ノックアウト細胞を用いた酵素活性の測定やリピドミクス、プロテオミクス解析によりこの機序の詳細を明らかにする。
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研究実績の概要 |
GPIの生合成はPI(ホスファチジルイノシトール)に単糖であるGlcNAc(Nアセチルグルコサミン)を付加する第一ステップから始まりこの反応は7個のタンパク質からなるGPI-GNT複合体によって担われている。 ARV1がこのGPI-GNT複合体の1因子として、どの因子と結合しているかを確認する目的で、様々な組み合わせで結合実験を行ったところ、ARV1は複合体の1因子であるPIGQとのみ直接結合していることがわかり、コンピューターによる予測と、その検証により結合部位を同定した。 次にARV1のGPI-GNT複合体における役割を確認する目的で、ARV1ノックアウト細胞を作製し、ラジオラベルの基質と反応させ第一ステップの産物の量を測定することにより、複合体の活性を正常細胞と比較したところ著しく低下しており、さらに詳細な解析でARV1はもう一つの基質であるPIの利用を促進していることがわかった。 つまりARV1は第一ステップでPIのリクルートを促進することにより、酵素反応を助けていることがわかった。 ARV1は先天性GPI欠損症(IGD)の原因遺伝子の一つとして最近報告された遺伝子で、その変異により知的障害、難治性てんかんなど他のIGDと類似の症状をきたし線維芽細胞でGPIアンカー型タンパク質(GPI-AP)の発現低下が認められる。今回の成果でヒトの細胞で、ARV1がGPI生合成の最初のステップに関わってその酵素活性を高めていることが証明され、ARV1欠損症ではその機能が障害されることによってIGDを発症していることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ARV1が複合体の1因子であり、PIGQと直接結合すること、さらにはその結合部位を同定した。ARV1が複合体の酵素活性を促進することが証明できた。
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今後の研究の推進方策 |
ARV1がGPI生合成の最初のステップに関与して、その活性を高めることはわかったが、その機序についてはあきらかでないのでそれを解明する。それに加えてGPIにはアルキルアシル型のPIが好んで使われることがわかっているが、脂肪酸組成が異なるPIに対するGPI -GNT 複合体の基質選択性へのARV1の関与について解析するとともに、その生理的な意義について解明する。既報によりARV1がGPI合成のみならず、脂質合成や代謝に関与していることが示唆されているので、その再現性とメカニズムについて解析する。
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