研究課題/領域番号 |
23K05711
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
飯田 秀利 東京学芸大学, 教育学部, 名誉教授 (70124435)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 機械受容チャネル / 立体構造 / 電気生理学的性質 / Cryo電顕 / カルシウム / 電気生理学 / クライオ電子顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
シロイヌナズナのカルシウム透過性機械受容チャネル(以下MCA)の電気生理学的性質と3次元構造を明らかにする。そのために、以下の手順で研究を進める。1)全長のMCAタンパク質のin vitroでのタンパク質の合成と精製の実験系を確立する。2)精製した全長のMCAタンパク質をリポソームに組み込み、パッチクランプ法でMCAチャネルの電気生理学的性質を明らかにする。3)精製した全長のMCAタンパク質をクライオ電子顕微鏡で顕微鏡像を多数取得し、単粒子解析によりその三次元構造を書きらかにする。また、分子動力学的シュミレーションを行い、開口状態と閉鎖状態の構造を予測する。
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研究実績の概要 |
接触、重力、浸透圧などの機械刺激は植物の発生と成長の制御に重要である。これらの機械刺激を受容して細胞内にイオンシグナルを発生させるのが機械受容チャネル(MSチャネル)である。近年動物のMSチャネルの構造と電気生理学的性質が解明され、2021年のノーベル生理学医学賞の対象にもなった。
一方、機械刺激が植物の発生・成長と環境応答に重要であることは、1880年代にチャールズ・ダーウィンによって示されていたが、その後の分子レベルでの解析は大きく遅れた。
そこで、本研究計画では「陸上植物に固有のカルシウム透過性機械受容チャネルの電気生理学的性質と立体構造」をメインテーマとする。このテーマに即した研究を行う目的で、シロイヌナズナのカルシウム透過性MSチャネルのタンパク質であるMCA1とMCA2の精製を試みている。具体的には、MCAタンパク質のin vitro合成用のプラスミドを作った。この時、ベクターはセルフリーサイエンス社のpEU-E01-MCSを使い、C末端を削ったMCA2タンパク質であるMCA2(1-173)の両端に、精製の際に用いるHisタグと5つのFLAGタグを付けタグを付けた。こうして作製したのが、pEU-E01-6HMCA2(1-173)FLおよびpEU-E01-FLMCA2(1-173)6Hである。現在、これを使ってタンパク質をin vitro合成と精製の条件を検討しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
In vitroでのMCA1とMCA2タンパク質の合成精製が難航している。少量の生産ならば問題ないのだが、Cryo電子顕微鏡解析に供するほどの大量のタンパク質の調製が難しい。
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今後の研究の推進方策 |
上記の困難を克服するために、in vitro合成ではなく、昆虫細胞などを使ったin vivo 合成法も検討している。
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