研究課題/領域番号 |
23K05726
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
石田 恒 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学研究所, 上席研究員 (60360418)
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研究分担者 |
角南 智子 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学研究所, 主幹研究員 (50554648)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | DNA / インターカレーション / 分子動力学シミュレーション / 自由エネルギー / ヌクレオソーム / SYBR-Gold / YOYO1 / ドキソルビシン |
研究開始時の研究の概要 |
インターカレーターが引き起こすDNAおよびヌクレオソーム構造変化の動的メカニズムは原子レベルでどのようになっているかを調べる。そのために、インターカレーターがDNAおよびヌクレオソームに結合して、インターカレーション状態を再現する分子動力学シミュレーションを実施する。そして、インターカレーション状態のDNAおよびヌクレオソームの自由エネルギー地形を得る。さらに自由エネルギー地形解析と、光ピンセット単分子測定装置を用いたインターカレーション実験データを比較・統合する。以上の知見をもとに、インターカレーター状態におけるDNAおよびヌクレオソーム動態の意義を理解する。
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研究実績の概要 |
遺伝子の機能発現を調節する分子は、DNA構造を認識してDNAと相互作用する。特に、インターカレーションを引き起こすインターカレーターには、発がん物質もあればドキソルビシンのような抗がん剤がある。さらにドキソルビシンは直接、ヌクレオソームの構造を変化させる。 本年度は、インターカレーションを引き起こす分子動力学シミュレーションおよび光ピンセット測定を実施した。分子動力学シミュレーションでは、18塩基対DNA において引き延ばしと縮める運動を繰り返すことでインターカレーター(SYBR-Gold、YOYO1、ドキソルビシン)のインターカレーションを促進することができた。これにより、インターカレーターがDNAの広い溝と狭い溝から様々な塩基配列にインターカレーションした構造を得た。これらの構造のいくつかに対してアンブレラサンプリングシミュレーションを実施することにより、インターカレーション状態DNAの構造変化に対する自由エネルギー地形を計算した。結果、SYBR-Goldやドキソルビシンでは1分子あたり約0.3nm程度DNAが伸長し、YOYO1では1分子あたり約0.6nm程度DNAが伸長した。またインターカレーション状態のDNAを引き延ばすのに必要な力は20から40pN程度と見積もることができた。 光ピンセット測定では、両端をビオチン化したλDNAを作成して、SYBR-Gold存在下で光ピンセット実験を行った。結果、DNAへのSYBR-Goldのインターカレーションが1分子あたり0.33nmの距離の変化を生じること、また、結合定数は1.7*10^5 Mと見積もった。 以上のように、分子動力学シミュレーションと光ピンセット測定で観測されたDNA構造変化はよく似ており、妥当な結果であると判断できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、ほぼ計画通りに研究が進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
インターカレーター(SYBR Gold、YOYO1、抗がん剤ドキソルビシン)がインターカレーションした状態のDNAについて、構造解析を継続する。そして、インターカレーションの時定数や、DNAの伸び、曲げ、ねじれに関する物性を解析する。さらに、ドキソルビシンとヌクレオソームの分子動力学を実施する。そして、ドキソルビシンがヌクレオソームDNAにインターカレーションする過程、およびドキソルビシンがヌクレオソームDNAの構造変化に及ぼす影響を解析する。 光ピンセットでは、SYBR Gold以外のインターカレーターやヌクレオソーム存在下でのインターカレーター結合の測定を行う。
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