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飲酒による発がんと酒酔いのメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K05734
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分43050:ゲノム生物学関連
研究機関近畿大学

研究代表者

松嵜 健一郎  近畿大学, 農学部, 講師 (10772147)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワードアセトアルデヒド / 酒酔い / DSB / DNA損傷 / アルコール
研究開始時の研究の概要

飲酒によって体内に生じるアセトアルデヒドは、飲酒の際に酒酔い(頭痛や嘔吐など)を引き起こし、長期的には発がん率の上昇の原因にもなっている。しかしながら、アセトアルデヒドが、どのように酒酔いやがんを引き起こしているのか、その詳細なメカニズムは不明である。申請者は、アセトアルデヒドによってDNA損傷の一種、DNA二重鎖切断が引き起こされることを発見した。本研究では、アセトアルデヒドによるDNA二重鎖切断形成の分子メカニズムと細胞内応答を明らかにすることで、飲酒による発がんと酒酔いのメカニズムを理解することを目的とする。

研究実績の概要

飲酒によって体内に生じるアセトアルデヒドは、飲酒の際に酒酔いを引き起こし、長期的には発がん率の上昇の原因にもなっている。しかしながら、アセトアルデヒドが、どのように酒酔いやがんを引き起こしているのか、その詳細なメカニズムは不明である。これまでアセトアルデヒドによってDNA損傷の一種、DNA二重鎖切断(DSB)が引き起こされることを発見した。本研究では、アセトアルデヒドによるDSB形成の分子メカニズムと細胞内応答を明らかにすることで、飲酒による発がんと酒酔いのメカニズムを理解することを目的とする。以下の二つの方針に沿って進める。
1)アセトアルデヒドによるDSB形成メカニズムと細胞内応答の解析
現在までのところ、アセトアルデヒドが直接DNA鎖を切断しないこと、DSBの形成に転写依存的なものが存在することまで明らかにできた。また、染色体上のどの場所で、どの様なDNA中間体が形成されているのか明らかにしようと進めてきた。その結果、アセトアルデヒド依存的に特殊なDNA構造を形成している可能性があることが分かった。この可能性を調べるため、現在別の手法で確認を行なっている。
2)アセトアルデヒド誘導DSBを介した酒酔いのメカニズムの解析
現在までの研究で、自然免疫の経路が活性化していると考えられる。この発見を元に、アセトアルデヒドによって活性化される自然免疫の経路の解析を行ってきた。自然免疫の経路の中で、細胞質のDNAを認識するcGAS-STING経路に焦点を置き、経路の活性化とサイトカインの特定を行おうと進めてきた。cGAS-STING経路のcGASの蓄積と下流の転写因子の核内移行を調べたところ、cGASの蓄積と転写因子の核内移行が増加していることを発見した。現在は、より下流に位置するサイトカインの発現を確認している。また、cGAS-STING経路依存的な活性化であるか確認を行なっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

遺伝学的な解析や顕微鏡観察の実験は当初の計画より進展している。
一方で、アセトアルデヒド依存的なDNA中間体の形成に関しては、既存の方法では検出が困難であると予想できるため、手法の開発が必要になってくると考えられる。
全体としては、概ね順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

アセトアルデヒドによるDSB形成メカニズムと細胞内応答の解析に関しては、当初の計画通りDSB誘導酵素の同定、転写との関係を遺伝学的手法、分子生物学的手法を用いて行う予定である。
また、アセトアルデヒド依存的なDNA中間体と変異の位置の関係をバイオインフォマティクスの手法を用いて解析することにより、飲酒による発がんの特徴について調べる。
アセトアルデヒド誘導DSBを介した酒酔いのメカニズムの解析に関しては、アセトアルデヒド依存的に活性化する自然免疫の経路の特定と酒酔い症状を引き起こす経路を明らかにする。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] アンチリコンビナーゼFIGNL1による RAD51フィラメント抑制の分子メカニズムと影響の解析2023

    • 著者名/発表者名
      松嵜健一郎、篠原美紀
    • 学会等名
      日本遺伝学会 第95回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] AAA+ ATPase FIGNL1による複製フォーク停止/再開におけるRAD51フィラメント形成制御と染色体安定性維持における役割2023

    • 著者名/発表者名
      松嵜健一郎、篠原美紀
    • 学会等名
      第46回 日本分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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