研究課題/領域番号 |
23K05768
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
岩下 淳 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (70315597)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2027年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ムチン / MUC5AC / 細胞外マトリックス / 外分泌 |
研究開始時の研究の概要 |
喘息患者の気道では過剰に粘液が分泌され気道を閉塞し、呼吸困難を引き起こす。我々は細胞外マトリックスである4型コラーゲンが、気道上皮由来の培養細胞と喘息モデルマウスの気道で、インテグリン経路を介し粘液分泌を抑制することを見出した。本申請の目的は①細胞外マトリックス(4型コラーゲン、ラミニン等)による粘液分泌制御②それらが粘液分泌を制御する分子機構、のさらなる解明である。 様々な細胞外マトリックスを喘息モデルマウスと培養細胞に添加し、分泌される粘液ムチンを定量する。さらに細胞内におけるムチン分泌に関与する経路の活性を解析し、細胞外マトリックスによる粘液分泌制御の作用機構を明らかにしたい。
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研究実績の概要 |
喘息やCOPDなどの呼吸器疾患のある患者では、細気道においてムチンを主成分とする粘液の過剰分泌が見られる。この過剰分泌は気道を閉塞することで換気障害につながり、症状を悪化させる。そのため、気道細胞におけるムチンの過剰な分泌を抑制するためにムチン分泌機構の解明が有用である。 我々は気道の粘膜の主成分であり、外界の異物から体を守る働きのある粘液ムチンの発現制御について研究を行った。その結果ムチンの分泌が細胞外基質(ECM)による制御を受けていることを見出した。ECMにはコラーゲンやラミニン、フィブロネクチンなど様々な種類が存在するが、それぞれムチン産生への影響が大きく異なる。ECMからのシグナルがムチンの産生の制御に関わるという報告はこれまでに無く、ECMとムチン産生をつなぐシグナル伝達機構について、さらに研究を進めることを本課題の目標とした。
ECM、及び細胞間接着分子インテグリンやリン酸化酵素Aktを介した経路でムチン(MUC5B、MUC5AC)産生に与える影響について喘息モデルマウスなどを用い解明した。生体を構成する主要なECMの内、4型コラーゲンは喘息の原因の一つである気道ムチンの産生を抑制した。それに対し、同じく主要なECMであるラミニンは逆に気道ムチンの作成を増加させた。これらの活性は、インテグリンを介して気道表面の細胞内に伝達され、気道ムチンの産生を制御することを明らかにした。 本年度には、特に食品などにも含まれる低分子成分がムチン産生、分泌の制御やECM産生に与える影響について解析し、有用な結果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度には、特に食品などにも含まれる低分子成分がムチン産生、分泌の制御やECMの産生に与える影響について解析し、有用な結果を得ました。これらの結果をまとめ国内専門誌に報告しました。従っておおむね研究課題の遂行は順調に進展していると考えています。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画に従い、喘息モデルマウスや賠償細胞を用いて、細胞外マトリックス(4型コラーゲン、ラミニンなど)の気道粘液分泌に対する活性について解析を推進する予定である。
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