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まだら状の結合様式を示す微小管側面相互作用因子MTCL1による微小管修復機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 23K05769
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分44010:細胞生物学関連
研究機関横浜市立大学

研究代表者

伊藤 健太郎  横浜市立大学, 生命医科学研究科, 助教 (60837128)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワードMTCL1 / 微小管 / チューブリン
研究開始時の研究の概要

微小管はすべての真核生物で保存された細胞骨格構成因子で、微小管のダイナミックな伸長・崩壊が細胞分裂時の染色体分配、小胞輸送、細胞の極性化や移動などで必須の役割を果たす。チューブリンの代謝回転は動的不安定性と呼ばれる微小管の末端で起こる重合・脱重合の制御機構について注目研究されてきが、近年微小管側面の損傷部位でもチューブリンの代謝が起こり、損傷修復の過程で生じた”GTPアイランド”と呼ばれる領域が微小管の安定性の制御に働くことが注目されている。本研究では、微小管上でGTPアイランド様の分布を示す微小管側面結合因子MTCL1を切り口に微小管修復機構の解明を目指す。

研究実績の概要

α/βチューブリンの微小管への取り込みは、これまで線維末端でのみ起こると考えられてきた。しかし、機械的なストレスや微小管切断酵素の作用が微小管線維の側面からのα/βチューブリンの脱落を引き起こし、そうしてできた虫食い状の損傷部位にGTP型チューブリンが取り込まれてGTPアイランドが形成されることが近年明らかとなってきた。更にこのGTPアイランドが、微小管が崩壊から再伸長に転じる際のレスキューポイントとして働き、微小管の安定化に重要な役割を果たしていると考えられるようになっている。しかし、いかにしてこの微小管損傷修復が進むのか、その分子機構はいまだほとんど不明である。本研究では、微小管上でGTPアイランドの分布に似た”まだら状”の結合様式を示すユニークな微小管側面結合タンパク質MTCL1の微小管相互作用機構の解明を切り口に、微小管損傷修復に関する独自のモデルを実証することを目的とする。
当該年度はMTCL1の2ヶ所の微小管結合部位(NMTBD、CMTBD)タンパク質をそれぞれ精製し微小管との相互作用を解析した。安定化活性があると予想されるCMTBDタンパク質と微小管との相互作用をTIRF顕微鏡で観察した結果、無傷の微小管への結合には大きな特徴は見られなかったが、微小管切断酵素Spastinを添加して微小管に損傷を与えると損傷部位にCMTBDタンパク質が局在するようになり、かつ、切断を受けた微小管の脱重合が抑制される様子が観察された。一方、NMTBDタンパク質はCMTBDより微小管への結合能は強いが、結合したタンパク質当たりの損傷微小管の安定化活性は弱かった。しかし、興味深いことにNMTBDは液-液相分離を引き起こし内部にチューブリンを濃縮する活性があることを見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

MTCL1の2ヶ所の微小管結合部位NMTBDとCMTBDのトランケーションタンパク質をそれぞれ精製して微小管との相互作用を解析した結果、1) NMTBDは微小管の安定化活性は弱いが液-液相分離を引きを越して液中のチューブリンを濃縮すること、2) CMTBDは微小管切断酵素Spastinを添加して微小管に損傷を与えると損傷部位に局在を示して、損傷部位が拡大するのを防ぐ様子が観察できた。

今後の研究の推進方策

現在、当該年度に得られた結果をもとに、MTCL1の二つの微小管結合部位がそれぞれ、CMTBDが損傷部位を見つけて安定化し、NMTBDが損傷部位に液中のチューブリンを局在させて修復を促進しているのではないかと考え、さらにこれらタンパク質と微小管との相互作用を”微小管の修復”に注目して解析する予定である。また、MTCL1の全長タンパク質またはNMTBDとCMTBDの融合タンパク質を精製して二つの結合部位が協調して微小管の修復を促進するかどうかを調べる準備を進めている。
さらに、共同研究で行なっている微小管とMTCL1微小管結合部位との結合のクライオ電子顕微鏡観察を推進して、原子分解能でこれらの相互作用機構の解明を目指す。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] MTCL1による微小管安定化機構の生化学的解析2023

    • 著者名/発表者名
      伊藤健太郎、鈴木厚
    • 学会等名
      第46回分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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