研究課題/領域番号 |
23K05775
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
小川 泰 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 研究員 (70624956)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 核-細胞質間輸送 / 熱ストレス / タンパク質恒常性 / 核内輸送 / Importin |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は予備実験から体温程度の温度でも核内輸送因子Importin αが変性することを見出した。そのような不安定なImportin αを介して行われるImportin α/β依存的核内輸送が、どのように維持され、ストレス条件下では速やかに停止するのかを明らかにする。さらにその結果起こる核内タンパク質の組成の変化を明らかにし、最終的にストレス応答を包括的に説明できるモデルを作ることが目標である。この際、申請者が最近確立した従来よりも正確な核タンパク質の分画法を用いて核タンパク質を網羅的に定量し、核タンパク質組成の変化を捉えるこれにより、核-細胞質間輸送システムの新しい機能を明らかにできると期待している。
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研究実績の概要 |
核-細胞質間輸送は細胞の恒常性維持に必須であり、Importin α/β依存的核内輸送は、核タンパク質の多くの輸送を担う主要な輸送経路である。しかし、一方で、熱などの様々なストレス環境、老化や疾患によって、比較的簡単に輸送が阻害されてしまう。この原因の候補として、申請者はImportin αの熱力学的不安定性を発見した。ヒトImportin αタンパク質の熱変性温度を測定すると、Importin αサブタイプの7種類の内 5種類が高い熱感受性を持つことが分かった。そこで、 37℃の生理的条件下での安定性を、輸送基質に対する結合能で比較してみた。その結果、KPNA1, 2, 7の3種類は37℃でも1~2時間で容易に変性し、結合能を失うことが明らかになった。一方で、シクロヘキシミドチェイス実験を行うと、これらのタンパク質の細胞内半減期は、12時間以上であることから、細胞内には未知のImportin α安定化機構が存在することを示唆している。また、主な局在場所である細胞質において、KPNA2と相互作用するタンパク質群の多くは、シャトルタンパク質であることが明らかになった。そこで、多くの核局在化シグナル(NLS)の存在が、Importin αの安定化に寄与しているのではないかと考え、NLSペプチド存在下でのImportin αの熱安定性を調べた。その結果、MonopartiteタイプとBipartiteタイプの両方のNLSペプチドによってImportin αが安定化することが明らかになった。これらの結果は、熱に感受性のあるImportin αサブタイプは、シャトルタンパク質などを常に核内へ輸送し続けることによって、その機能を維持しているということを示唆し、そのために常にエネルギーを消費していることになる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最初の目標である熱感受性Importin αの細胞内の安定化機構は明らかになりつつあるため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの実験結果から、熱感受性Importin αサブタイプの細胞内における安定化には継続的な核内輸送サイクルが重要であることが示唆された。そこで、核-細胞質間輸送活性が低下することが報告されている老化細胞内におけるImportin αの活性を確認する。また今後は、これまで得られた細胞レベルでの制御機構が、生物個体レベルでどれほど重要であるかを明らかにしていきたいと考えている。
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