研究課題
基盤研究(C)
新しい個体を生み出す、つまり受精を成立させるために、ほぼ全ての生物が多大な労力を費やして有性生殖を行う。その戦略の一つとして雌雄同体の形態をとる生物がある。雌雄同体は有利に働く場面もある一方で、有性生殖の利点を失う自家受精という危険性も隣り合わせている。そこで固着性の雌雄同体生物ホヤは、精子と卵子が自己と非自己を識別して自家受精を回避する自家不和合性機構を独自に獲得した。本研究では、研究代表者らが同定した自他認識分子がどのように自己と非自己を識別するのか、そして自己と認識された精子がどのように排除されるのか、その分子機構を解明し生殖医療や発生工学への発展を目指す。