研究課題/領域番号 |
23K05780
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
櫻井 英俊 京都大学, iPS細胞研究所, 准教授 (80528745)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 間葉系間質細胞 / 筋再生 / 分泌因子 / 6型コラーゲン / iPS細胞 / ウルリッヒ型先天性筋ジストロフィー |
研究開始時の研究の概要 |
我々はiPS細胞由来間葉系間質細胞(iMSC)の移植により筋ジストロフィーモデルマウスの筋再生を促進し治療に成功した。しかし、骨髄や脂肪由来MSCを移植した際、移植後の筋再生能には明らかな差があり、iMSCは骨格筋MSCと同等の高い骨格筋再生能を有していることが分かってきた。本研究課題では、このiMSCの持つ骨格筋再生能が何によって規定されているのかを明らかにし、筋疾患への移植治療に向けた治療メカニズム解明を目指す。
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研究実績の概要 |
iMSC、BM-MSC、Ad-MSCを培養した際の培養上清をプロテオミクス解析し、その結果によりiMSCで高発現する因子としてIGF2を同定した。さらにELISAにて確認し、確かにiMSCの培養上清に3倍以上含まれていることを見出した。CRISPR-OFFシステムによるノックダウンは、特異的に作用するsgRNAをデザインすることが困難であったため、siRNAによるノックダウンを実施した。In vitroでの共培養実験により、iMSCにおいてIGF2をノックダウンすると、Pax7陽性細胞の割合が増加し、MyoD陽性細胞の割合が低下し、筋分化が阻害されることを示した。また共培養後半では免疫染色によるミオシン重鎖陽性面積を定量したところ、IGF2ノックダウンにより有意に陽性面積が低下し、多核の筋管割合も低下したことから、筋細胞の融合を阻害し、筋管の成熟化を阻害することが明らかとなった。IGF2はこれまで骨格筋の発生には重要な分子として報告されたが、生体内で筋分化に関与するという報告はニワトリでの検証程度しかなく、哺乳類では初めての成果と考える。また他にもいくつか候補分子が同定されているため、ELISAでの確認を進めている。 一方BM-MSCで特異的に高発現するマーカーとして線維化関連分子が同定されたが、非常に候補分子が多く、絞り込むためのメタ解析について検証を進めている。またAd-MSCと共通して高発現する因子は比較的少なく、共通の筋再生抑制因子が存在する可能性は少ないと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
iMSCにおいて高発現する筋再生促進因子については同定に成功した。そして予定を前倒ししてin vitroの共培養実験を実施し、その有用性も明らかにできた。一方でBM-MSCとAd-MSCに高発現する筋再生抑制因子については、候補を絞り込めておらず、やや進捗が遅れている。両方を合わせておおむね順調と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
筋再生促進因子については、in vivoでの検証を予定通り進める。 筋再生抑制因子については、現在の候補分子のノックダウン実験をin vitroで実施し、候補を絞り込む。
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