研究課題/領域番号 |
23K05786
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
大沼 耕平 中部大学, 先端研究センター, 客員研究員 (70774876)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ホヤ幼生 / 脳 / 細胞系譜 / 動態 / 発生メカニズム / 脳神経細胞 / 分化 |
研究開始時の研究の概要 |
脳の細胞がわずか数百個しかないホヤ幼生は、脳の発生を個々の細胞レベルで理解できるモデルである。これまで、脳の細胞系譜解析を通して、幼生の脳細胞が発生過程で従来の報告よりも複雑な動態を示すことを見出した。そこで、脳細胞の発生制御を分化と動態の両面から理解する第一歩として、本研究ではまず、脳にあるすべての神経細胞に注目し、その細胞系譜と動態の様子を完全に明らかにする。次に、神経細胞系譜における転写因子とシグナル分子の発現パターンを網羅的に調べ、その発生に必須な因子とそれらの因子がつくる発現制御ネットワークを特定する。また、動態制御の仕組みを、開発技術とオミクス解析とを組み合わせて明らかにする。
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研究実績の概要 |
脳の細胞がわずか数百個しかないホヤ幼生は、脳の発生を個々の細胞レベルで理解できるモデルである。我々は、独自の技術により、ホヤ幼生の脳の細胞系譜(分裂時期・回数)を明らかにしつつある。また、脳系譜の細胞が従来の報告よりも複雑に動くことを発見した。しかし、脳の系譜における遺伝子発現プロファイルは不明であり、脳細胞の分化とその動態を制御する分子基盤はよくわかってない。そこで本研究では、まず、脳にあるすべての神経細胞に注目し、その細胞系譜と動態の様子を完全に明らかにする。次に、神経細胞系譜における転写因子とシグナル分子の発現パターンを網羅的に調べ、その発生や動態に必須な因子とそれらの因子がつくる発現制御ネットワークの解明を目指す。 2023年度は、ホヤ幼生の脳にある2つの色素細胞の母細胞を標識し、その発生過程における動態を特定した。また、幼生脳にあるレンズ細胞のマーカー遺伝子を新たに同定し、その遺伝子のゲノム上流域を利用することで、GFPなどの外来遺伝子をレンズ細胞特異的に発現させることに成功した。今後、この上流域を利用した遺伝子過剰発現実験をすることで、レンズ細胞の発生メカニズムを調べる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度には生きた胚を用いて、標識した細胞の追跡をして細胞系譜解析を進める予定であった。しかし、胚が卵膜の中で回転し続けるため、その追跡が困難であり、これが計画の遂行が遅れた大きな理由である。
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今後の研究の推進方策 |
本来の計画では、蛍光ISHを利用して特定した細胞系譜の各段階で発現する転写因子やシグナル因子を特定する予定であった。しかし、上記のように細胞系譜解析が遅れているため、2024年度は遺伝子発現解析をしつつそのデータを利用し、目的の細胞の細胞系譜を明らかにする。具体的には、神経板期以降の卵膜付きの胚を用いて、脳系譜で発現する全143個の転写因子の発現パターンを、蛍光ISHにより、単一細胞レベルで調べる。この時同時に核を対比染色することで、目的の細胞を遺伝子発現のパターンを指標にして追跡し、細胞系譜解析も進める。次に、各種神経細胞マーカーの発現パターンも調べ、各ニューロンの系譜で発現するすべての転写因子とシグナル因子を網羅的に特定する。
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