研究課題
基盤研究(C)
胚発生の時間が生物の種によって大きく異なることはよく知られている。脳の発生の場合、マウスでは1週間以内、フェレットでは約1か月、ヒトでは約4か月続く。申請者が異なる種の神経幹細胞において、遺伝子の発現パターンが保たれたまま発現時間が延長される現象、すなわち「時間スケーリング」の存在が発見した。しかし、そのメカニズムは明らかになっていない。本研究は、マウス、フェレット、ヒト(オルガノイド)という異なる時間スケーリングを持つ神経発生を主な対象として、神経幹細胞に内在する時間スケーリング機構の分子メカニズムを解明し、生物がいかにして時間をコントロールするかという生物学の大きな謎を解決する道を拓く。