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ゼブラフィッシュHoxコードの発生遺伝学解析

研究課題

研究課題/領域番号 23K05790
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分44020:発生生物学関連
研究機関埼玉大学

研究代表者

川村 哲規  埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (10466691)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワードHox遺伝子 / ゼブラフィッシュ / CRISPR-Cas9 / 脊椎動物の形態多様性 / 脊椎動物の初期進化 / CTスキャン / 発生遺伝学 / 脊椎動物の進化 / 形態の多様性
研究開始時の研究の概要

脊椎動物の発生において、体軸に沿った位置情報を司るHox遺伝子群の機能は未だ不明である。研究代表者は脊椎動物Hox遺伝子の機能解明を目指し、ゼブラフィッシュhoxクラスター欠失変異体を作製し、解析を進めてきた。その結果、ゼブラフィッシュではマウスとは異なり機能重複は限定的で、特定のhoxクラスターへの機能集中が示唆された。従って、機能重複度の低いゼブラフィッシュを用いることで、脊椎動物Hox遺伝子群の新たな役割を解明することが可能となる。本研究では既にhoxクラスター変異体で見出した新規の表現型を軸に、原因となるhox遺伝子を同定し、ゼブラフィッシュhox遺伝子群の機能の全体像を明らかにする。

研究実績の概要

Hox遺伝子群は、動物発生において体軸に沿った位置情報を司る。脊椎動物の胚発生において、これまでにマウスを用いた研究が精力的に行われ、4つのHoxクラスターに存在する39個のHox遺伝子について、様々なノックアウトマウスが作製され、その機能が明らかにされてきた。しかしながら、脊椎動物におけるHox機能欠損型の表現型解析は、ほぼマウスに限定されている。本研究では、マウスと進化的に離れたゼブラフィッシュを用いる。ゼブラフィッシュには、7つのhoxクラスターに49個のhox遺伝子が存在するが、各Hox変異体、変異を重ねた多重変異体を作製し、ゼブラフィッシュHox機能の全容を明らかにすることで、マウスで得られた知見が脊椎動物間で保存されるか、また、脊椎動物における新たなHoxの機能を見出すことを目的としている。研究代表者は、これまでに各hoxクラスターを欠損した変異体を作製し、クラスター単位での機能を明らかにしてきた(Yamada et al., Development 2021)。本研究課題では、様々なhox変異体を作出することにより、ゼブラフィッシュに存在する49個のhox遺伝子の機能の全容解明を目標としている。2023年度については、我々のこれまでの研究からhoxの関与が示唆されてきた頭部側の脊椎骨パターニングや、背ビレ、臀ビレの形成領域に関して、様々なhox変異体を作製し、Hox遺伝子の機能の全容をほぼ明らかにした。また、別のhox遺伝子の多重変異体を作製した結果、マウスでは見出されていない興味深い異常を幾つか見出しており、新たなhox遺伝子の機能が示唆されつつある。それと併行して、変異体の解析と共に、その原因遺伝子となるhox遺伝子の発現を可視化するノックイン系統も複数、単離した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでのhoxクラスター欠失変異体の解析から示唆されていたゼブラフィッシュの頭部側脊椎骨(第1~5脊椎)のアイデンティティーを規定するhox遺伝子について、変異体を作製することで、ほぼ全容を明らかにすることができた。マウスと保存されている点、さらに異なる点が示され、脊椎骨パターニングの進化について新たな知見が得られた。また、同様にhoxの関与がこれまでに示唆されていた背ビレおよび臀ビレに関しても、形成領域を制御するhox遺伝子について、様々な変異体を作製することで、これも概ね全容を同定することができた。さらに、別のhox遺伝子の多重変異体を作製した結果、興味深い異常を幾つか見出しており、新たなhox遺伝子の機能が示唆されつつある。変異体の解析と共に、hox遺伝子の発現を可視化するノックイン系統も複数、単離することに成功した。上記の結果は、研究計画を立案した当初の予定と比較して、期待された成果と同等であり、本研究は順調に進捗していると判断される。

今後の研究の推進方策

引き続き従来の計画通りに、ゼブラフィッシュに存在する49個のhox遺伝子の全容解明に向けて、変異を重ねた多重変異体を作製していく。また、2023年度に見出した新たな知見についても、さらに研究を進めていく。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (9件) (うち招待講演 2件)

  • [学会発表] Decoding diversity of the median fins: Hox-mediated patterning in zebrafish2023

    • 著者名/発表者名
      Urara Adachi, Atsuki Ishizu1, Sae Oikawa, Akiteru Maeno, Mizuki Ishizaka, Koumi Satoh, Kazuya Yamada, Koichi Kawakami, and Akinori Kawamura
    • 学会等名
      第29回 小型魚類研究会(さいたま)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Deciphering the zebrafish Hox code in the anterior vertebrae provides molecular insights into the evolution of the vertebral column2023

    • 著者名/発表者名
      Akiteru Maeno, Hidemichi Nakazawa, Renka, Fujii, Mizuki Ishizaka, Koumi Satoh, Kazuya Yamada,Atsuki Ishizu, Takumi Sugawara, Urara Adachi, Akinori Kawamura
    • 学会等名
      第29回 小型魚類研究会(さいたま)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Hox collinearity is maintained between zebrafish and medaka despite the reversal of the relative positions of the dorsal and anal fins2023

    • 著者名/発表者名
      Rina Koita, Akira Seto, Akiteru Maeno, Norimasa Iwanami, Masaru Matsuda, Akinori Kawamura
    • 学会等名
      第29回 小型魚類研究会(さいたま)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Physical constraints on the position and dimensions of the zebrafish swim bladder by the neighboring skeletons2023

    • 著者名/発表者名
      Koumi Satoh, Sae Oikawa, Akiteru Maeno, Urara Adachi, Kazuya Yamada, Mizuki Ishizaka, Rina Koita, Akinori Kawamura
    • 学会等名
      第29回 小型魚類研究会(さいたま)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Genetic interactions between hox genes shape anal fin morphologies2023

    • 著者名/発表者名
      Atsuki Ishizu, Taisei Tani, Urara Adachi, Sae Oikawa, Akiteru Maeno, Koichi Kawakami, Akinori Kawamura
    • 学会等名
      第29回 小型魚類研究会(さいたま)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ゼブラフィッシュ臀鰭の形状を司る hox 相互作用の解析2023

    • 著者名/発表者名
      石津充己、谷太晟、安達うらら、及川紗英、前野哲輝、川上浩一、川村哲規
    • 学会等名
      第46回 日本分子生物学会 (神戸)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] メダカ を用いた正中ヒレ形成領域を規定する hox 遺伝子の遺伝学的解析2023

    • 著者名/発表者名
      小井田理奈、 瀬戸 彬、 前野哲輝、岩波礼将、 松田 勝、川村哲規
    • 学会等名
      第76回 日本動物学会関東支部会(東京)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ゼブラフィッシュを用いた発生遺伝学から紐解く「魚の正中ヒレの形態多様性と進化」2023

    • 著者名/発表者名
      川村哲規
    • 学会等名
      埼玉大学・埼玉県立がんセンター交流セミナー
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 「ゼブラフィッシュを用いたhox遺伝子の発生遺伝学的解析」2023

    • 著者名/発表者名
      川村哲規
    • 学会等名
      基礎生物学研究所・春期岡崎生物学研究会『生物と創発現象』
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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