研究課題/領域番号 |
23K05813
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
宮沢 豊 山形大学, 理学部, 教授 (00342858)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | MIZ1 / 水分屈性 / シロイヌナズナ |
研究開始時の研究の概要 |
植物は周囲の水分勾配に応答して水分の多い方向へ根を屈曲させる水分屈性を示す。申請者が水分屈性制御分子として見出したMIZ1は,植物の乾燥環境適応のために獲得された遺伝子であると考えられた。申請者は,水分屈性特異的にMIZ1は細胞内で集合すること見出しており,このMIZ1の集合は水分屈性に必須のイベントであると考えられた。本研究は,MIZ1の集合体の形成や機能に必要な分子を,遺伝学的手法と分子生物学的手法の両面から探索・同定し,それらがどのようにMIZ1と協働して水分屈性に機能するかを解析することから,植物の陸地環境適応を可能にした分子機構を解明するものである。
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研究実績の概要 |
予備的な解析から,MIZ1が細胞内で凝集体を作ることが推定されていた。当該年度は,この凝集体の性質について解析するために,まず葉肉プロトプラストに蛍光タンパク質に融合させたMIZ1を一過的に発現させる系を用いて研究を行った。その結果,MIZ1はホモ複合体を細胞内で形成することが明らかになった。さらに,miz1-1およびmiz1-5型のタンパク質とGFPとの融合タンパク質は植物体内で検出することができなかったが,今回,蛍光タンパク質を融合させる場所をこれまでと変えることで,変異型MIZ1タンパク質も検出できることが分かった。そこで,BiFC法を用いてMIZ1型,miz1-1型,miz1-5型それぞれのタンパク質が,細胞内で複合体を形成するのかを解析し,いずれもホモ複合体形成能を有することを見出した。水分屈性時の動態変化の解析のため,植物体内でBiFC法を適用できるような形質転換体の作出を開始した。 これに加えて,MIZ1相互作用タンパク質の選抜のためのタグ付きMIZ1発現系統の作出も進め,タグを指標にMIZ1とMIZ1相互作用タンパク質を沈降させるための系統の樹立に成功した。上述の葉肉プロトプラストを用いた解析からえられた知見をもとに,変異型タグ付きmiz1タンパク質を発現する系統の作出も行い,形質転換体を得ることに成功した。 変異型miz1タンパク質と相互作用するタンパク質との差し引きが可能になった点は,水分屈性という現象と本質的に関わるMIZ1相互作用タンパク質の同定に資するという意味で,大きな進展であるといえる。 上記のほか,MIZ1の機能発現に必要なMIZ2水分屈性時に根のどこで機能するのかを解明し,論文発表した。また,オーキシンがMIZ1の制御下で水分屈性の停止に機能することを見出し,論文発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究目標に向けて,直線的に研究を進めることができており,次年度以降に実施する予定の解析の準備も順調に進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画に基づき,進める。
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