研究課題
基盤研究(C)
基部陸上植物ゼニゴケの雄生殖器である雄器托内の造精器に、特異的かつ主要脂肪酸として含まれる新奇な水酸化脂肪酸 を見出した。造精器の脂肪酸組成は葉状体とは大きく異なり、4種類の脂肪酸のみから構成される。雄器托表面に水滴を滴下するとこれらの脂肪酸を含む中性脂質が精子と共に分泌されることから、コケ植物の生殖過程において重要な役割をもつ可能性がある。発現パターンから推定した生合成酵素遺伝子の遺伝子破壊変異体の造精器では、当該脂肪酸が完全に消失することを確認した。表現型解析をさらに進めることで、コケ植物の水酸化脂肪酸の生殖過程における生理的な役割を明らかにする。