研究課題
基盤研究(C)
真核生物の鞭毛(繊毛)は水流形成、細胞外からのシグナル受容に重要な細胞小器官である。鞭毛構築についての主流な考えは「鞭毛は蛋白質の合成ができないので、鞭毛の構成蛋白質は全て細胞体から運ばれる」というものである。しかし、私は最近、クラミドモナスという2本の鞭毛を持つ単細胞緑藻類を用い、精製した鞭毛がそれだけで蛋白質合成能を持つ直接的な証拠を得た。本研究は、鞭毛内に蛋白質合成系が存在することを確定的にし、その分子機構を追究する。本研究は「鞭毛内輸送系だけで鞭毛の構築と維持が行われる」という長年の定説を覆すものである。