研究課題/領域番号 |
23K05831
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
嶋田 圭祐 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (60779601)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 精子ミトコンドリア / 精子形成 / 雄性不妊 |
研究開始時の研究の概要 |
不妊症の病態解明および治療法の開発のためには精子形成のさらなる理解が必要である。精子ミトコンドリアはもともと一般的な形状である「糸状」をしているが,成長につれて「糸状」から「球状」へと形態を変化させる。この「球状ミトコンドリア」はさらに形態を変化させることで,最終的には鞭毛周囲にタイトに巻き付き,ミトコンドリア鞘を形成する。本研究計画の目標は,どのようなメカニズムでミトコンドリアが「糸状」から「球状」に形態を変化させるのかを解明することである。電子顕微鏡観察を中心に,遺伝子改変マウスを用いて,様々な「球状ミトコンドリア」関連因子の機能解析をおこなう。
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研究実績の概要 |
本研究では精子形成期に認められる精子ミトコンドリアが「糸状」から「球状」へと形態変化する現象の分子メカニズムを明らかにすることを目的としている。我々は精巣特異的に発現する遺伝子を欠損させたKOマウスを網羅的に作製し,その表現型を解析してきた。その中で欠損すると精子ミトコンドリアが糸状から球状に形態変化せずに異常なミトコンドリア鞘を形成して雄性不妊となるKOマウスを見出した。この欠損した遺伝子を我々はSmdr5と名付け,その遺伝子機能の解析をおこなっている。 このKOマウスの精子形成過程ではパキテン期後半に認められる精子ミトコンドリア内膜の形態変化が生じず,フチが凝集した球状ミトコンドリアが形成されなかった。SMDR5を検出できる抗体を作製できなかったため,SMDR5のC末端にエピトープタグを付加したノックインマウスを作製した。このノックインマウスを用いてSMDR5の局在を調べると,ミトコンドリア内膜タンパクであることがトポロジー解析により明らかになった。またミトコンドリア内膜タンパクとして知られる呼吸鎖複合体との相互作用を免疫沈降法で調べると,同じ複合体IIIの構成タンパク質でもUQCRC1とは相互作用するもののUQCRC2とは相互作用しないなどのことが分かってきた。他にも脂質ラフトに関連するタンパク質との相互作用も明らかになってきたため,これらのタンパク質との相互作用がどのようにミトコンドリア内膜の形態変化と関連してくるのか,その分子メカニズムを今後明らかにしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新たにSMDR5にエピトープタグを付与したノックインマウスを作製した。こおノックインマウスを用いることでSMDR5の局在及び免疫沈降法による相互作用するタンパク質の解析が可能になった。相互作用するタンパク質の解析を現在おこなっており,これまでに3つのタンパク質とSMDR5が相互作用することを明らかにすることに成功した。これらのタンパク質の生殖細胞における挙動を解析することで,今後は球状ミトコンドリアの形成メカニズムを明らかにしていく。
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今後の研究の推進方策 |
今後はSMDR5と相互作用するタンパク質がどのようにミトコンドリアの球状化に関わっていくのか,その分子メカニズムを解析していく。これらのタンパク質が球状ミトコンドリアが形成されない他の臓器と精巣で異なる挙動をしていれば,SMDR5の機能を解析していく上で大きなヒントになっていくはずである。またSMDR5を培養細胞に過剰発現させても,生殖細胞と同様にクリステの減少が認められるので,培養細胞も用いてSMDR5の機能を多角的に解析していく予定である。
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