研究課題/領域番号 |
23K05835
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
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研究機関 | 神奈川工科大学 |
研究代表者 |
村田 隆 神奈川工科大学, 応用バイオ科学部, 教授 (00242024)
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研究分担者 |
藤田 浩徳 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(機構直轄研究施設), アストロバイオロジーセンター, 助教 (10552979)
堤 元佐 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(機構直轄研究施設), 生命創成探究センター, 特任助教 (60782422)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 細胞伸長 / 微小管 / 植物細胞 / 進化 |
研究開始時の研究の概要 |
表層微小管列による細胞伸長の制御はどのように生じ、進化したのだろうか。本研究計画では、単純な体制を持つタバコ培養細胞と、陸上植物に最も近縁な単細胞藻類であるミカヅキモを用いて、微小管が細胞の形に依存して特定の向きに並ぶことをイメージングとシミュレーションから証明する。本研究により、多細胞体制を持たない進化初期の植物における微小管構築機構が推測でき、陸上植物の複雑な細胞伸長制御機構がどのようにして進化したのか理解する足がかりになる。
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研究実績の概要 |
細胞が細長く伸長することは植物の形作りの素過程の一つである。この過程は、多細胞からなる陸上植物においては植物ホルモンや物理的な引っ張り力など、さまざまな細胞間相互作用によって制御される。細胞を細長く伸ばすのは表層微小管列と呼ばれる細胞膜裏打ちの微小管の働きである。そこで、表層微小管列の並ぶ向きがどのように決まるのかを解析することにした。 これまでの予備的観察から、従来の定説と異なり、表層微小管列の並ぶ向きは細胞間相互作用がなくても細胞の形に依存して決まることを考えた。そこで、単純な体制を持つタバコ培養細胞と、陸上植物に最も近縁な単細胞藻類である接合藻類ミカヅキモを用いて、微小管が細胞の形に依存して特定の向きに並ぶことを実験とシミュレーションから証明することを計画した。 細胞をプロトプラスト化して細胞間相互作用のない状態を作り、微小管の挙動を調べるため、タバコ培養細胞におけるプロトプラスト化と2光子共焦点スピニングディスク顕微鏡による画像取得、ミカヅキモにおけるプロトプラスト単離の予備実験を行った。タバコ培養細胞ではプロトプラストの生存率が低かったが、伸長細胞の3D画像取得に成功した。微小管は細胞を円周状に取り巻いていたが、細胞頂端部では配列が違っていた。伸長中のプロトプラストの微小管を細胞全域で3D撮影した例は初めてと思われる。一方、ミカヅキモは培養条件の確定を行い、明暗周期で培養したときに、暗期のはじめに分裂後の伸長細胞が多いことを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ミカヅキモの培養条件確定に想定以上に時間を要し、プロトプラスト単離の予備実験まで辿り着くことができなかった。また、タバコ培養細胞のプロトプラスト単離では、以前(1986年)に行ったのと同じ酵素では健全なプロトプラストが取れなかった。おそらく製品の質が変わったものと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
ミカヅキモのプロトプラスト単離では、ようやく培養条件が確定したのでこれからプロトプラスト単離を行う。タバコ培養細胞については、従来使用していたものと別のセルラーゼを入手しており、順次試していく予定である。
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