研究課題/領域番号 |
23K05837
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
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研究機関 | 公益財団法人サントリー生命科学財団 |
研究代表者 |
酒井 翼 公益財団法人サントリー生命科学財団, 生物有機科学研究所・統合生体分子機能研究部, 研究員 (40414122)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | テスト細胞 / 卵胞 / ペプチド / カタユウレイボヤ / 卵胞成熟 / 細胞死 / アポトーシス |
研究開始時の研究の概要 |
近年、脊椎動物に最も近縁なホヤの卵胞成長・成熟、排卵を制御する分子機構が明らかになり、脊索動物門における同機構の原点と種特異性が浮き彫りになりつつある。一方、ホヤ卵胞で成熟期直前にテスト細胞(脊椎動物卵胞の顆粒膜細胞に相当)の集団が数細胞のみを残して消失する現象の意義や分子機構は不明である。そこで本研究では、ホヤ卵黄形成終了期卵胞で同定した新規ペプチド・PEP51のテスト細胞集団における役割を解明する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、新規ペプチドPEP51のアポトーシスを介した細胞集団制御の解明を通じて、生物界で見出される「分子と機能の種特異性」と、その生物学的役割を明らかにすると共に、いまだに全容が不明な動物の優良卵選抜機構を紐解く突破口とすることである。 本課題では、(A)カタユウレイボヤ卵胞のテスト細胞集団におけるPEP51発現細胞、アポトーシス細胞、そして増殖細胞の局在、(B)PEP51発現とアポトーシスとの機能的関連、(C)卵胞における代償性増殖の有無を明らかにすることを研究実施計画としている。 本年度は、PEP51発現および非発現テスト細胞のRNA-seq解析 を実施した。カタユウレイボヤのstage III卵胞から剥離したテスト細胞をFACSでPEP51発現(+)テスト細胞と非発現(-)テスト細胞に分別し、それぞれのRNA-seqを実施した。その結果、PEP51(-)細胞に比べPEP51(+)細胞において、10種以上のアポトーシス関連遺伝子、そして細胞増殖や分化に関係するDelta-Notch遺伝子の1.4-2倍の発現上昇が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画を常に意識して実験を進めており、順調に計画通りに研究が進展している。
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今後の研究の推進方策 |
1. PEP51(+)(-)テスト細胞で発現する遺伝子の同定 2023年度の遺伝子発現解析に続き、今期はearly stage III卵胞PEP51(-)細胞にも着目し、RNA-seqデータを参照してPEP51(+)(-)テスト細胞で強く発現する遺伝子を定量PCRで決定する。
2. ホヤstage III卵胞のPEP51(+)細胞と増殖細胞の組織学的解析 Early stage III卵胞テスト細胞集団の代償性増殖を検証するため、PEP51発現と細胞増殖の様態を明らかにする。方法として、early、mid、 late stage III卵胞に対してチミジン類縁体EdUの取込みを指標にした増殖細胞同定、抗PEP51抗体による免疫染色との多重染色で組織学的解析を行う。
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