研究課題/領域番号 |
23K05841
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
横井 佐織 北海道大学, 薬学研究院, 助教 (10772048)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 個性 / セロトニン / 大胆さ / メダカ / クローズドコロニー |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトを含めた社会性を営む多くの動物において、個性は集団や各個体における適応度上昇に関与すると考えられている。しかしその分子メカニズムの多くはいまだ明らかになっていない。本研究ではメダカを用いて「大胆/臆病」を規定する遺伝子を網羅的に探索し、そのメカニズムを明らかにする。また、遺伝子により規定されている個性が環境によってどのように変化するのか、そのメカニズムにせまる。本研究を通じ、脊椎動物における「大胆/臆病」の個性の進化的起源を明らかにしたい。
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研究実績の概要 |
本年度は、臆病系統よりも大胆系統で発現量が少ない遺伝子の一つであるセロトニンの生合成に関与するトリプトファンヒドロキシラーゼ、tphに着目した。ELISAを用いて全脳におけるセロトニンの量を定量したところ、実験系統であるdrR系統と臆病系統と比較して、大胆系統ではセロトニンの量が有意に少なかった。 また、drR系統バックグラウンドでtphをKOしたメダカを取り寄せ、驚愕応答実験を実施したところ、当該個体は野生型のメダカよりも大胆な傾向にあることを発見した。これは、セロトニンが大胆さを規定する要素の一つであることを示唆している。一方で、セロトニン再取り込み阻害薬であるフルオキセチンを大胆系統に投与しても、臆病化は確認されなかった。この結果は発達段階でのセロトニン神経回路構築の段階で臆病系統と大胆系統とに違いが生じており、一度神経回路が構築されたあとにセロトニンの量を増やしても行動は変化しない、ということを示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
メダカの大胆さの個性を制御する遺伝子の一つとして、tphが関与している可能性が高い、ということを明らかにすることができた。tphの発現量の違いのみで大胆さを説明できる、というわけではないが、大胆さを規定する分子神経基盤の解明のために、必要因子の一つを同定できたのは大きな一歩であると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
tphのKO個体は実験系統であるdrRバックグラウンドのものを今回利用したため、臆病系統のバックグラウンドでtph遺伝子をノックアウトし、こちらでも大胆化が確認されるかを検証する。また、今回セロトニン神経系の回路に大胆系統と臆病系統とで差が存在しそうである、という結果が得られたため、抗セロトニン抗体を用いて大胆系統と臆病系統の脳を染色し、その違いについて検証する。
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