研究課題/領域番号 |
23K05853
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
武方 宏樹 琉球大学, 研究推進機構 共創拠点運営部門, 特命准教授 (60814192)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | サンゴ / 産卵 / 環境周期 / 季節性 / 一斉産卵 |
研究開始時の研究の概要 |
イシサンゴ類の産卵リズムは、他の動物種と比べても個体間の同調性が非常に高く、野外では1年のうちの数日間のみ産卵が観察される場合がほとんどである。また、同所的に生息する複数種のサンゴが一斉に産卵する、多種同調産卵とよばれる現象も観察され、琉球列島に生息するイシサンゴ類のほとんどが初夏の満月前後で一斉に産卵する。本研究では、複数種のイシサンゴを対象に、産卵のタイミングの指標となる環境要因や関連する遺伝子について調べる。多種同調産卵に参加する種としない種を含めた比較生理学的解析から、種間の共通点や相違点を明らかにすることで、産卵リズムの獲得や排除について考察する。
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研究実績の概要 |
沖縄のサンゴ礁を形成するイシサンゴの多くは、特定の季節や月相に一斉に産卵する。産卵時期を決定するために、イシサンゴは外環境から季節と月相の情報を読み取り、体内の生理状態を環境と同期させていると考えられるが、その生理機構に関しては依然として不明な点が多い。本研究では、産卵の指標となる環境要因の特定を目的に、沖縄県瀬底島周辺のサンゴ礁に生息するイシサンゴのうち、5~6月の多種同調産卵に参加するコユビミドリイシとクシハダミドリイシ、ウスエダミドリイシ、参加しないヤッコミドリイシ(8~9月産卵)の、計4種のミドリイシ属サンゴと、ミドリイシ属サンゴとは異なる分類群に属し5~6月に産卵するが多種同調産卵には参加しないユビエダハマサンゴを対象とした飼育実験を行った。本年度は野外から5~6月に産卵する4種のサンゴ(ウスエダミドリイシ、コユビミドリイシ、クシハダミドリイシ、ユビエダハマサンゴ)を採集し、環境要因をコントロールできる実験水槽内における飼育実験を行った。 昨年度までの飼育実験において、ウスエダミドリイシが段階的な水温の変化を産卵の指標としている可能性が示唆されていた。そこで本年度は、自然光条件の飼育水槽の水温の変化が野外に比べ1か月早くなる条件と遅くなる条件でサンゴを飼育し、サンゴがいつ産卵するかを観察する目的の飼育実験を開始した。その経過観察において、コユビミドリイシとユビエダハマサンゴが実験開始後、数か月で死亡する傾向がみられた。ウスエダミドリイシとクシハダミドリイシは問題なく飼育できていることから、来年度に2種の産卵の有無を観察する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年8月に発生した台風6号の影響により、飼育水槽のセットアップに大きな遅れが生じた。また、野外に生息するサンゴの台風被害の確認後に、サンゴを採集し実験を開始したため、飼育実験の開始が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は実験水槽内において問題なく飼育できた、ウスエダミドリイシとクシハダミドリイシを用いて、産卵の指標となる環境要因について調べる。また、ウスエダミドリイシとクシハダミドリイシとは異なり、8月に産卵するヤッコミドリイシを対象に、同様の飼育実験を行い、産卵時期の異なるサンゴも同じ環境要因を産卵の指標としているのかを調べる。
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