研究課題
基盤研究(C)
最深生態系である超深海は海溝域に存在する高水圧・貧栄養・暗黒の極限環境であり、非常に固有性の高い動物相を有するとされる。より浅い深海平原とは物理環境が大きく異なり、各海溝は地理的に隔離された環境である。一方、各海溝最深部へのアクセスの困難さゆえに底生生物の採集例は限られ、多くの分類群において、その種多様性や海溝間の個体群動態はよくわかっていない。本研究では海溝域の超深海帯底生生物相の固有性を検証するため、腹足類をモデル分類群として、複合的アプローチによる各海溝での種多様性および各種の初期生活史の検討を行い、海溝腹足類相の固有性や海溝間のコネクティビティおよび種多様性創出機構について考察する。