研究課題
基盤研究(C)
ミュラー型擬態の進化機構はほとんど解明されておらず、機構の解明が重視される進化生物学における未解決の重要課題となっている。申請者らが発見したヤスデ類のミュラー型擬態の系では、灰色擬態環形成から、その消失、新たなオレンジ擬態環への移行といった稀な進化パターンが見られる。本研究では、この特異な系を対象に、擬態環形成を促す鳥類捕食(擬態のベネフィット)に対して、ハエ類の捕食寄生(擬態のコスト)が逆向きに負の頻度依存的にはたらくことで、擬態環の形成、消失、移行をもたらしているかどうかを、野外実験・調査、系統推定等の多角的なアプローチにより検討する。