研究課題
基盤研究(C)
日本は菌類の種多様性が高いと考えられているが、その証拠となる具体的な事例はない。本研究では、日本の菌類相が他地域のそれに比べ多様で、かつ独自な種により構成されていることの例示を試みる。特にヨーロッパにおける従前の分類学的知見が豊富で比較が容易であり、かつ日本で広く分布するブナ類に焦点をあて、日本におけるその寄生菌の構成種について精査する。菌類バーコードマーカーの塩基配列相同性に基づき、隠蔽種および新規高次分類群の存在を仮定し、それらをスクリーニングする。選定された菌についてさらなる分類学的検討を行い、新規分類群を重点的に検出することで日本産菌類相の種多様性について再評価する。