研究課題/領域番号 |
23K05915
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 神奈川県立生命の星・地球博物館 |
研究代表者 |
渡辺 恭平 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 主任学芸員 (70710474)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 分類学 / 生物多様性 / 寄生蜂 / アジア / 日本 / 害虫の天敵 / 寄主 / 寄生 / 天敵 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では日本産のハバチに寄生するヒメバチの種多様性と寄生生態を明らかにし、その知見を基にハバチ寄生ヒメバチがもつ生物学的な特徴を理解することを目的とし、以下のアプローチにて研究を行う。 標本調査:ハバチ寄生蜂の標本と寄主情報を収集し、どのハバチにどの寄生蜂が寄生するのかを明らかにする。 飼育調査:特定のハバチ類をとりまく寄生蜂相と、その相互関係を明らかにすることを目的に、野外でハバチの幼虫や繭を採集して飼育を行う。 分類学的研究:寄生蜂の正体を明らかにし、既知種も含め、日本のハバチ寄生蜂相を明らかにする。 世界各地における知見との比較:上記3つのデータを先行研究と比較する。
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研究実績の概要 |
野外(北海道、本州、九州、奄美大島)および標本収蔵機関で調査を実施し、多数の標本資料を得た。それらを分類学的に検討し、一部の種では生態情報を報告した。今年度は特に分類が遅れており、得られる大半の種が国内既知種に該当しないマルヒメバチ亜科のヒメバチを重点的に検討し、3編の論文により以下の23新種を記載、15種を日本から新たに記録することで、分類学的解明度を従来の2倍程度へと大幅に引き上げた。 新種として記載された種:Priopoda macrophyae、Notopygus bicornis、Notopygus japonicus 、Anisotacrus nocturnus、Anisotacrus pulchellus、Euryproctus flavidens、Mesoleptidea amanoi、Mesoleptidea japonica、Mesoleptidea mesorufa、Alcochera nigra、Campodorus albimarginalis、Campodorus japonicus、Campodorus rufidorsalis、Hyperbatus ariminensis、Hyperbatus borealis、Hyperbatus montanus、Hyperbatus nigrifemur、Lagarotis nigra、Lamachus montanus、Leipula pulchra、Mesoleius morishitai、Perilissus autumnalis、Lethades kanagawensis これらのうち、Priopoda macrophyaeは森林害虫トネリコクロハバチの重要な天敵である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
懸案であったマルヒメバチ亜科の解明度が一気に解明されたため。一方で、異常気象が続き、ハバチ類の活動する春から初夏の期間が短くなり、野外サンプリングがうまく行かない例もあり、標高や調査地を当初計画から柔軟に変更しなければいけない場面が出ており、この報告を入力している時点でも春が異常気象であり、サンプリングは若干うまくいっていない面がある。
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今後の研究の推進方策 |
今年度も引き続きサンプリングや飼育、研究成果のアウトプットを進める。
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