研究課題/領域番号 |
23K05959
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
高坂 洋史 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (20431900)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 神経回路発達 / 運動制御 / ショウジョウバエ / カルシウムイメージング / コネクトミクス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、動物の発生過程において、機能的な運動制御回路がいかにして構築されているかについて明らかにします。ショウジョウバエの卵を試料として、神経活動に伴って蛍光が変化するタンパク質を使って、初めは未熟な神経活動パターンが、発達に伴って成熟していくプロセスを追跡します。そして、この成熟過程において、神経配線がどのように組み上がっていくかについて、神経回路組織を物理的に膨張させることで細かい構造を調べることができる方法を用いて追跡します。以上の解析から、動物の運動パターンを生み出す神経回路が、卵の中でどのように仕上がっていくのかを明らかにすることを目指します。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、運動制御を担う神経回路が構築される発達過程を経時的かつ長時間の測定によって明らかにすることである。本研究ではショウジョウバエ胚・幼虫の運動をモデル系として用いる。本年度は、安定した測定を実現するために、十分なカルシウムセンサー蛍光プローブを発現する系統の作成を進めた。蛍光プローブとしては、胚発生に影響を与える青色光の励起ではなく、より影響の少ない赤色光で励起されるものとして、jR-GECO1a、jR-GECO1b、及び、R-CaMP2を選択した。一方、発現誘導に関して、全細胞のうち、神経細胞でのみ選択的に遺伝子発現を誘導するために、nSybプロモータによりGal4転写因子を発現させる系統を用いた。このnSyb-Gal4について、ストックセンターの系統や研究代表者が作成した系統などいくつかの種類があり、発現量に差がある。神経系全体にカルシウムプローブを発現する場合、蛍光シグナルが検出できる程度に十分な発現量が必要である。一方、発現量が多すぎると、細胞内のカルシウムイオンをキレートしてしまうため、発生が異常になることがある。そこで、様々なGal4系統とUAS系統の組み合わせを検討したところ、十分なシグナルが得られて、かつ正常に発生する組み合わせを見出すことに成功した。また、感覚受容の変異体、および筋収縮の変異体についても同様の系統の作成を進めている。これらの系統を用いて、今後胚発生における神経活動の可視化を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究において、胚発生期の神経活動を検出できる系統の作成が非常に重要である。初年度にこの課題を達成していることから、順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に沿って、作成した系統を用いて、ライトシート顕微鏡による長時間イメージングを進める。そのデータ解析を進めるとともに、感覚受容や筋収縮の変異体においても同様の解析を行ない、運動パターンがどのように成熟するのかについて、明らかにする。
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