研究課題/領域番号 |
23K05962
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小西 博之 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (90448746)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 硬膜 / リンパ管 / 損傷 / 炎症 / 髄膜 / 脳梗塞 / 神経損傷 |
研究開始時の研究の概要 |
脳損傷治療の新たな視点として、本研究では脳を包む硬膜に着目する。硬膜はマクロファージなど免疫細胞を多く含むため、脳損傷に応答し炎症を起こす可能性、さらには硬膜に起きた炎症が損傷脳に影響を与える可能性が考えられるが、そのような脳損傷時における脳と硬膜の相互作用は報告されていない。本研究では、脳梗塞モデルマウスを用い、脳損傷後に起こる硬膜の組織変化とその分子メカニズムを明らかにする。本研究により、硬膜の新たな機能が発見されるとともに、硬膜を標的とした画期的な脳損傷治療法が生まれる可能性が期待される。
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研究実績の概要 |
これまで脳損傷に対する研究は、脳を構成する細胞群(神経細胞、グリア細胞や血管内皮細胞など)やそれら細胞間の相互作用に主に着目し進められてきたが、効果的な治療法は確立されていない。新たな治療法を生み出すためには、今までにない視点からの病態解明が必要だと考えられる。本研究は、脳を包む硬膜に着目し、脳梗塞後に硬膜が肥厚などリモデリングを起こす分子/細胞メカニズムと、硬膜リモデリングが脳損傷にもたらす影響を明らかにすることを目的とした。 研究代表者は脳損傷後に硬膜組織が顕著にリモデリングされ、硬膜内からリンパ管が損傷脳内へ侵入するという新規現象を見出している。脳に比べ硬膜の解析技術は確立されていない。脳損傷が硬膜に及ぼす影響を詳細に観察するため、まず硬膜の組織学的解析技術の確立に取り組み、頭部を丸ごと脱灰し頭蓋骨ごと脳切片を作成する手法や、頭部を透明化後に硬膜を3次元的に観察する手法を確立した。そのような技術を用い、脳損傷後にリモデリングされる硬膜の組織変化をタイムコースに沿い調べた結果、そのリモデリングにマクロファージや線維芽細胞が関与する可能性を示唆するデータを得た。また、硬膜から損傷脳内へのリンパ管侵入のタイムコースやリンパ管の詳細な形態を、リンパ管レポーターマウスであるProx1-GFPマウスやLyve1、VEGFR3、Podoplaninなどリンパ管マーカー抗体を用い明らかにし、リンパ管関連の基礎データを取得した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
硬膜の解析技術を確立し、研究遂行に必要な基礎データを得た。それらの結果の一部は学会等で報告した。
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今後の研究の推進方策 |
硬膜から損傷脳内へリンパ管が侵入する分子・細胞メカニズムに加え、損傷脳内でリンパ管網が果たす役割について研究を進める。
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