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ミクログリア置換による新しい脳疾患治療の確立

研究課題

研究課題/領域番号 23K05976
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分46010:神経科学一般関連
研究機関山梨大学

研究代表者

PARAJULI Bijay  山梨大学, 大学院総合研究部, 研究助教 (00748783)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードミクログリア / ミクログリア移植
研究開始時の研究の概要

サンドホッフ病は、GM2 ガングリオシドーシスのβ-サブユニットをコードする HEXB の遺伝子異常により、Hex A及び Hex B の酵素活性が同時に失われる疾患である。これにより、ライソゾームに GM2 ガングリオシドが蓄積し、認知及び運動機能が進行性に悪化し、それに伴い知的障害、麻痺等の神経症状が出現する難治性神経変性疾患である。中枢神経系ではHEXBはミクログリアに強く発現している。従ってミクログリアの機能異常がSD分子病態で決定的な役割を果たしていると考えられる。本研究は、SDミクログリア置換法を開発し、ミクログリア置換がSDの病態に対する治療効果とその分子メカニズムを検討する。

研究実績の概要

ミクログリアは脳内の自然免疫細胞であるが、免疫細胞としての機能以外にシナプス新生や除去、神経細胞の興奮性制御等々、多くの脳機能を制御している。従って、ミクログリアの機能低下は様々の神経変性疾患に深く関与する。多くの神経難病では,ミクログリアの本質的な機能異常が病態の中核となるため異常ミクログリアを正常ミクログリアへの置換が治療法として有効と考えられ、抗がん剤投与又は放射線照射で血液脳関門を傷害した後に、骨髄を末梢に移植する方法が用いられている。移植された骨髄細胞は脳内に移行するが、多くはマクロファージへと分化する。マクロファージとミクログリアは性質が大きく異なることから、既存法はミクログリアの置換法とは言えない。また、抗がん剤や放射線照射は全身に障害を及ぼすことや神経細胞の細胞老化を促進すること等が最近の研究で明らかなっている。抗がん剤や放射線処置無しに、また安定的にミクログリアを置換する方法が望まれているが、そのような技術はまだ無い。そこで先ず、任意の脳部位およびタイミングでミクログリアを置換する技術を開発した。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

サンドホッフ病(SD)は、GM2 ガングリオシドーシスのβ-サブユニットをコードする HEXB の遺伝子異常により、セキソサミニダーゼ (Hex) A及び Hex B の酵素活性が同時に失われる疾患である。これにより、ライソゾームに GM2 ガングリオシド(GM2)が蓄積し、認知及び運動機能が進行性に悪化し、それに伴い知的障害、麻痺、けいれん発作等の神経症状が出現する難治性神経変性疾患である。中枢神経系ではHEXBはミクログリアに強く発現している。従って本疾患は「一次性ミクログリア病」と言え、ミクログリア機能異常がSD分子病態で決定的な役割を果たしていると考えられる。よってSDミクログリアを正常ミクログリアに置換する細胞治療法が本疾患の有効な治療戦略となる可能性が高い。そこで、これまでに最適化した時期・条件にて、SDマウスのミクログリアを外来性ミクログリアに置換し、外来性ミクログリアの生存率、分布を解析した。移植したミクログリが長期的にSDマウス脳内で生存可能であることを確認した。

今後の研究の推進方策

今後、SDマウスにおいてミクログリア置換の治療効果を検証する実験を開始し、全脳組織を用いた全転写産物解析(トランスクリプトーム解析)を行い、移植によって発現が正常化される遺伝子群を特定する。続いて、これらの遺伝子産物についてタンパク質レベルでの発現解析を実施し、得られた候補分子に対して薬理学的手法またはウイルスベクターを用いた遺伝子介入実験を行うことで、ミクログリア置換療法の効果を担う分子メカニズムを明らかにすることを目指す。最終的には、これらの研究成果を論文として発表する予定である。

報告書

(2件)
  • 2024 実施状況報告書
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2025 2024 2023

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件)

  • [雑誌論文] Establishment and Use of Primary Cultured Astrocytes from Alexander Disease Model Mice2024

    • 著者名/発表者名
      Kubota Yuto、Shigetomi Eiji、Saito Kozo、Shinozaki Youichi、Kobayashi Kenji、Tanaka Masayoshi、Parajuli Bijay、Tanaka Kenji F.、Koizumi Schuichi
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 25 号: 22 ページ: 12100-12100

    • DOI

      10.3390/ijms252212100

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Unexpected role of microglia and P2Y12 in the induction of and emergence from anesthesia2024

    • 著者名/発表者名
      Parajuli Bijay、Koizumi Schuichi
    • 雑誌名

      Purinergic Signalling

      巻: 20 号: 6 ページ: 573-575

    • DOI

      10.1007/s11302-024-10014-1

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Microglia sense astrocyte dysfunction and prevent disease progression in an Alexander disease model2023

    • 著者名/発表者名
      Saito Kozo、Shigetomi Eiji、Shinozaki Youichi、Kobayashi Kenji、Parajuli Bijay、Kubota Yuto、Sakai Kent、Miyakawa Miho、Horiuchi Hiroshi、Nabekura Junichi、Koizumi Schuichi
    • 雑誌名

      Brain

      巻: 147 号: 2 ページ: 698-716

    • DOI

      10.1093/brain/awad358

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書 2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Severity of Peripheral Infection Differentially Affects Brain Functions in Mice via Microglia-Dependent and -Independent Mechanisms2023

    • 著者名/発表者名
      Le Yen-Phung、Saito Kozo、Parajuli Bijay、Sakai Kent、Kubota Yuto、Miyakawa Miho、Shinozaki Youichi、Shigetomi Eiji、Koizumi Schuichi
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 24 号: 24 ページ: 17597-17597

    • DOI

      10.3390/ijms242417597

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Development of localized microglia replacement strategy and its utilization to decipher microglial biology2025

    • 著者名/発表者名
      Parajuli B, Shigetomi E, Koizumi S.
    • 学会等名
      APPW2025
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Critical role of microglia in the functional development and maturation of prefrontal cortex.2024

    • 著者名/発表者名
      Parajuli B, Shigetomi E, Koizumi S
    • 学会等名
      NEURO2024
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Development of localized microglia replacement strategy and its utilization to decipher microglial biology2024

    • 著者名/発表者名
      Parajuli B, Shigetomi E, Koizumi S.
    • 学会等名
      日本薬理学会関東部会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Critical role of microglia in the functional development and maturation of prefrontal cortex.2024

    • 著者名/発表者名
      Parajuli B, Shigetomi E, Koizumi S.
    • 学会等名
      The 4th International Symposium on Frontend Brain Science-Yamanashi GLIA center
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 脈絡叢エピプレクサスマクロファージはミクログリア由来である2023

    • 著者名/発表者名
      Parajuli B, Shigetomi E, Koizumi S.
    • 学会等名
      日本薬理学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2025-12-26  

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