研究課題/領域番号 |
23K05985
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46020:神経形態学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
小西 慶幸 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (00382838)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 軸索 / ミトコンドリア / プレシナプス / シナプス小胞 |
研究開始時の研究の概要 |
脳の神経細胞は多数のシナプスを有し、軸索上のプレシナプスから、標的細胞の樹状突起上のポストシナプスへと信号を伝達することで、情報の分散・統合を可能にする。神経回路が構築される際に、軸索の何処にどれだけのプレシナプスが配置されるのかは、脳の機能 おいて非常に重要である。この決定にはポストシナプスとの接触による誘導に加え、細胞自律的な調節が関わるが、その機構は殆ど明らかにされていない。本研究では、ミトコンドリアとプレシナプス因子の相互的制御により細胞自律的にプレシナプスの配置や密度を決定する機構を明らかにする。
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研究実績の概要 |
脳の神経細胞は多数のシナプスを有し、軸索上のプレシナプスから、標的細胞の樹状突起上のポストシナプスへと信号を伝達することで、情報の分散・統合を可能にする。神経回路が構築される際に、軸索の何処にどれだけのプレシナプスが配置されるのかは、脳の機能において非常に重要である。この決定にはポストシナプスとの接触による誘導に加え、細胞自律的な調節が関わるが、その機構は殆ど明らかにされていない。これまで、プレシナプスの構造に依存してミトコンドリアが停止することが報告されてきた。一方、申請者のこれまでの解析で、ミトコンドリアの停止位置にプレシナプス非依存的な規則性が存在し、従来の知見とは逆方向の、ミトコンドリアに依存したプレシナプス形成の制御機構の存在が示唆された。この知見を足掛かりに、本研究では、ミトコンドリアとプレシナプス因子の相互的制御により細胞自律的にプレシナプスの配置や密度を決定する機構を明らかにする。本年度は、ミトコンドリアの配置や運動性に依存したプレシナプス形成の調節について検証するため、培養下の軸索においてミトコンドリアを微小管に係留するアンカー因子であるsyntaphilinをshRNAによりノックダウンすることで、ミトコンドリアの運動性を操作し、シナプス小胞に存在するVAMP2の動態を解析した。syntaphilinnノックダウンによりこれまでの運動型ミトコンドリアの割合が増加し、VAMP2陽性のシナプス小胞の運動性も上昇することが確認された。さらにミトコンドリアと同調的に移動するシナプス小胞が観察された。この条件において、軸索に沿ったシナプス小胞のクラスターの密度が低下することが示され、ミトコンドリア の運動性の変化に依存してプレシナプスの密度が変化したことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度から令和6年度に計画したプレシナプス因子のイメージング解析、及びin vitroにおけるプレシナプス形成に対するミトコンドリアの影響評価について順調に解析が進み、新たな発見が得られている。また次年度以降の実験の準備についても順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
syntaphilinがミトコンドリアを介さずシナプス小胞に作用する可能性を除外するため、syntaphilin及びミトコンドリア結合部位を欠失した変異体を発現することで、シナプス小胞のクラスターに対する影響を解析する。さらに開口放出が起こる機能的なプレシナプスをFM色素により標識し、ミトコンドリアの運動性に依存した影響の有無を明らかにする
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