研究課題
基盤研究(C)
脊椎動物は進化の過程で様々な機能をもつ脳を進化させてきた。特に,外界からの感覚情報を統合・分析し,適切な出力を行う終脳(大脳)は,それぞれの系統で独自の進化を遂げ,哺乳類では極めて高度な情報処理機能を備えるに至った。それらの中でも霊長類とクジラ類の終脳は脳進化の極致といえるほど著しく発達しており,とりわけクジラの新皮質にはIV層が存在しないなど,哺乳類のグラウンドプランから逸脱した形態が見られる。こうした終脳の多様性がどのような発生機構の変化によって生まれたのかを調べるため,哺乳類,両生類,円口類の終脳発生機構を詳細に観察し,多彩な情報処理機構が発達した進化的変遷を探る。